清水の舞台から縄ばしごで降りる

次回は4月末に更新です。ナンパってまだ生き残っているんですね。

【無知者】生活保護利用時の注意 with 衝撃語録2トップ

▲それ言う……!?(画像はイメージです)

こんにちは皆様。

生活保護、受けてますか(唐突)

今これを読んでいる方の内、めちゃめちゃ金無くて死にそうな状況にある人は今すぐブラウザ閉じて役所に行け(命を守る命令)

 

で、無事利用開始となったらですね、是非覚えておいて欲しいことがあります。

今回はそれを、異動した私が聞いたおっそろしい言葉と共にご紹介。

※WARNING※

当記事のメインたる『生活保護』はセンシティブな事物なので、敢えてライトかつ砕けた表現(ものにより不適切とも取られかねない表現)を多用します。ご了承下さい。

 


 

●と、その前に語句と現状をば

長いよ!(クリックで展開)

生活保護のことを、公務員は概ね生保(せいほ)と略します。

生保(せいほ)とだけ聞くと生命保険のことだと考える方もいると思いますが、当記事では生活保護のことを一貫して読み仮名も省いて「生保」と記載しますのでお間違えなきよう。

 

この略称の読み方を変えて「ナマポ」と表記した場合、ほぼ100%侮蔑となりますね。

これはネット世界の、それもアングラな言い回しなので、現実世界で使っている人がいたら近づかないようにしましょう。

そいつは教養無しの阿呆確定で、そんな馬鹿といると頭が悪くなりますよ。

公の場で使った政治家がいたって?

そんな間抜けも、間抜けを選出した党も、そこに投票した輩も全員同類と考えてください。私ならお近づきにはなりません。

 

さて、日本は先進国の中で生保捕捉率最低というマジクソランドです。

生保捕捉率とは、「最低生活費を下回る貧なる皆様の中で、生活保護を利用している人の割合」のことで、それが先進国中最低ってのはどういうことか。

▲一目瞭然(引用:生活保護Q&Aパンフレット(製作:日本弁護士連合会))

捕捉率、最大で18%。

つまり貧困勢の80%強がそのまま貧窮に喘ぎつつ生活している。

 

こんな状態なので、今この記事を読んでいる貴方が生保を利用したいと考えているなら役所に行っちゃって下さい。

貴方一人が利用しようがしまいが国レベルではマジで大したことなく、国益だの迷惑だのという俗な感情論はこのスケールの前では塵に同じです。

 

さて、以上の概要を予備知識的に頭の片隅にブチ込んでもらったところで、生保を利用したいという方・利用開始になった方には是非覚えておいて欲しいことがございます。

 

前置きが長くてすんません!

 

衝撃語録①:「身の程を知らない」

生活保護は先述の通り生活苦にある人が助けてもらうだけのもので、穀潰しの無職が一生ゴロゴロしていられるような甘ったれた制度ではありません。

よって、精神面も体調も特に問題なければとっとと就労してさっさと自立して頂きます。

それが嫌だという人間には仕事を探すよう指示(事実上の命令)を出し、従わなければ切るだけです。

※ちなみに軽い腰痛如きで逃げられると思っている愚者がいるようですが、某バッシング以降そんなのは通用しないので覚悟して下さい。

 

さて、指示を出さないと動かないようなマジの甘ったれはともかく、多くの方は非常に精力的に就労活動に取り組んでいます。

こちらから指導・助言しなくとも、気付いたら応募してて「来週から就労開始です」なんて仰る方も。

人によってはそのままどんどん収入を増やし、生保不要により保護廃止に至ります。

ここまで自力で行ったら、小学生のような表現ですがです。

 

ところが、たまーにいらっしゃる。

様々な就活・転職サイトに登録し、役所の就労支援プログラムも使い、暇さえあればハローワークに通い大量に応募して全部面接に行っているのに、全落ちという本当に救われない人が。

 

他の人と同じように、いや寧ろとんでもなく激しく活動しているのに、何故?

 

応募した先や、履歴書の内容、面接で問われたこととその回答を確認してみると、問題点が浮かび上がってきました。

 

・応募先が大卒前提、有資格前提、30歳未満前提

・履歴書の内容がショボいをついている、馬鹿正直に風俗勤務と書いている

・面接官に「応募要項を読みましたか?(=お前はお呼びじゃないんだが?)」と言われて、「そこに敢えて挑戦しました!」とこの期に及んでチャレンジ精神を無駄にアピール

 

要するに空回っているんですね……。

特に三つ目のチャレンジ精神など、新卒が面接に行く時かキャリアのある経験者が異業種に挑む時に言うことであって、間違っても無職のそこそこアダルトな年齢の人が言ってもキモいと思われるだけです。

 

で、このズタズタの惨敗ぶりを見た支援員さんが、一言ぼそりと、しかし確信を持って言い放ちました。

生保利用者の学歴や年齢層がどの程度かは統計を調べて頂きたいところですが、こういうことを言われてしまう人は往々にして共通点がございます。

 

就職市場において大した価値が無いのに、何故かそれを分かっていない。

 

例えば高卒・三十代後半・資格:運転免許のみ・職歴:一年の会社勤めと黒子(=性風俗店の裏方)を数ヶ月という人が、採用実績:六帝大のみという外資系の大手なんかに応募したら、鼻で笑われて書類選考の時点で落とされるのは目に見えています。

でも応募する。何でだよ。

 

その理由を、支援員さん(元・転職サイトエージェント)が教えてくれました。

※ここに記載する話は、あくまでも元・転職サイトエージェントの経験に基づくものであり、確実に100%これが真実であることを保証するものではない。参考までに。

 

自立を焦る余り、冷静さを失っている

生保が一時凌ぎの制度であることを先に説明した通り、最終目標は自立です。

「逆に言えば生保受給者=いい年こいて自立できないヤツ」と嘲る人もいるわけで、そういう視線から逃れたければ早く就労して自活するしかありません。

ここで「額が少なくてもいいからとにかくまず就労しよう」と考えてくれれば、堅実なステップアップができるのですが……中にはね、いるんですよ。

一発逆転思考の人。

一山当てようとかヌかして保護費を株やFXに溶かす馬鹿を指して言うことが多いこの言葉ですが、いきなり超大手企業の正社員を狙う人も申し訳ありませんが同類です。

 

そりゃ確かに超大手企業の正社員なんて、初任給お高めで福利厚生も手厚く、ついでに「ナマポw」とか煽ってくる阿呆に対して強烈に見返すことができる立場ですから、なれるんだったらなりたいでしょう。

 

でも超大手企業がお前にその価値を見出してくれるかって話。

 

何度も言いますけど、大した学歴も資格も職歴も無くて新卒ピチピチですらない人が、やる気一つで通るはずがないんです。

企業は「金払う価値があるか」と選考しているのですから、アラサーニートという底の知れたヤツを選ぶことは無い。

それを認めず、「一度目の就労で自立を決めたい!」と言わんばかりに応募したって秒殺されるだけなんです。

 

何で今生保を利用しているのか。

病気で働けないという方は除き、それ以外の稼働年齢層の方は仕事が無いからでしょう。

 

何故仕事が無いか。

採用されるだけのものを持っていないからですよ。

 

採用価値が今の時点で無い人が、どうして採用されると思うんですか。

お願いです。早く気付いて下さい。

……私が同じ立場になったら、到底認めたくありませんが……。

 

②転職サービスに乗せられている

dodaハタラクティブマイナビ転職Indeed……世の中には数多くの転職サイトや就活サービスがございます。

これらは無料で就職まで見てもらえるだけに、物凄い数の方が複数サイトに渡って登録して活用しています。

 

ところで、不思議に思いませんか? 何故無料なのか。

就活サービスはあくまでもサービス業です。ボランティアではありません。何処かで収益が無ければ無料を維持することはできません。

 

結論から言うと、紹介した人材が一定期間稼働したら紹介料を企業から貰っています

紹介後一年経過で満額、半年で辞職したなら半額というように。

※念のため書くが、あくまでも元・転職サイトエージェントの経験に基づくものであり、全転職サービスがこれをやっていると証明するものではない。

 

これ、裏を返すとこうなります。

人 材 が 一 年 持 て ば い い

本人が辞めようが首にされようが精神やられようが病気になろうがどーでもいい

適当におだてて適当なところにぶん投げて紹介料満額貰える程度の期間働いてくれりゃALL OK。

寧ろそれで辞めてまたサービス利用に戻ってくれば永久機関の完成です。

ものによっては紹介しただけでエージェントの加点になる場合も。

 

だから転職エージェントの内、悪質な輩はとにかく本人を褒めてやる気を引き出そうとする。

これだけ乗せときゃ自分のポイント製造器になるだろうと。

 

人間は少なからずプライドを持ち、自己承認欲求を抱えるものです。

殊に無職達は、ただでさえ自尊心が傷つき認めて欲しいとの欲求が高まっている状態です。

そういう社交辞令に気づけない(もしくは気づきたくない)彼らはこんなに自分を認めてくれる人が言うなら間違いないだろうと、身の丈に合わないところや明らかに無理のある会社にまで応募します。

 

それで上手くいけばいい。

しかし、もし合わなくて辞めた場合……職歴にどんどん傷が付くことに。

で、三十も後半になってくると、相当なキャリアがない限り日本の就職市場において価値は無いに等しいので、エージェントは無慈悲にこう言い放つことでしょう。

「貴方に紹介できるところはありません」

 

もしも貴方が今現在就活サービスを利用していて、妙に好条件の場所を紹介されたら、一度立ち止まって自分を俯瞰で見て下さい。

本当にそこは、貴方に合う場所ですか?

 

【生保利用者に覚えておいて欲しいこと①】

理想はかなぐり捨てて現実を見よう。でも極端に卑屈にならなくていい。

正確に「身の程」を知り、就活エージェントに利用されないように。

 

衝撃語録②:「家族ではない」

晴れて生保利用開始となると、自立に向けていろいろと行政処理をやる担当者が一人付きます。

これをケースワーカーと言います。

生保利用者のことをケースと呼ぶので、「ケースに関する仕事をする人」という意味ですね。

 

但し、ケースワーカーは万能ではありません。

生活保護法の範疇でしか権限を持っておらずケースワーカーの裁量が許されている部分についてもケースワーカーがやらなくてもいいこと」は徹底して絶対にやりません。

 

一人に対してやってしまうと、残りの担当世帯にもやらなければならなくなるから。

一人のケースワーカーがやってしまうと、全ケースワーカーがやらなければならなくなる。

そうなるとキャパオーバーでケースワーカー業務が停止するんです、マジで。

結局苦しむのはケース……。

 

ところが、この辺を分かっていない方も非常に多い。

 

分かってない方①:警察・病院・大家など一般の皆様

ケースが問題行動を起こしたとか、ケースの処遇に責任を取りたくないといった場合、「ケースの尻はケースワーカーに拭かせろ」と言わんばかりに、いろいろなところから連絡が来ます。

貴方の担当ケースが路上を散らかしています。片付けてください。(警察)

貴方の担当ケースが退院します。迎えに来てください。(病院)

貴方の担当ケースにはもううんざりです。施設に連れてってください。(大家)

さて、これを受けたケースワーカーはというと、

何でハタチ超えた大人にそこまでしてやらなあかんねん!!

こちとら他に百数人抱えとんじゃ、一人のためだけに時間取れるか!!

 

そう、キャパオーバーになる最大の理由は一人のケースワーカーが抱えているケースの数。

ケース本人にとって担当ケースワーカーは一人ですが、ケースワーカーからすると同じように自立への問題を抱えた人間が100人超いるのです(東京都特別区の場合。所属するケースワーカーの人数やケースの数により変動します。なお社会福祉法上は「ケースワーカー一人につき80世帯が標準」と定められているが、「標準」なのでそこからオーバーすることがザラにある

100人全員が退院したり問題起こすたびにいちいち外出していては、一年が36500日にでもなってくれないと他の事務仕事も含めて全く回らなくなる。

 

個人情報を扱う都合上、外出の移動時に堂々とパソコンを開いて記録をつけるなんてことは言語道断なので、移動時間は何もできません。

まるまるドブへ捨てるようなものです。

それで送迎しろだの片付けに来いだのと言われたら「は?(威圧) その間の仕事は誰がしてくれんの。お前やってくれんのか、おぉん?」とキレちまいますよ。

 

よって、時と場合によりけりですが、ケースワーカーはこう言います。

「家族ならもしかしたら協力してくれるかもしれない」、そんな程度のことを家族でもない人間がやるわけないんだよなあ……。

特に大家さんの言う「施設に連れて行け」については、マジで権限が無い(※)のでやりたくてもできないのが現状です。

※「今のアパートから出ろ」とか「更生施設にいろ」等の居所の強制は人権侵害となる。

 

さて、上記殺し文句(語弊)を放った後は結局どうするのかというと、「本人に言え」で終了です。

退院の場合は「そうですか、じゃあ帰らせといてください」になります。

本人のことは本人が対処すべきで、一応上で「ハタチ超えた大人」とか書きましたが未成年ケースでも同じ対応をします。

 

分かってない方②:ケース本人

先程「ケース本人にとって担当ケースワーカーは一人です」と書きました。

 

ケースは往々にして疎外感を覚えていることが多いです。

人付き合いが超苦手だったり障害や病気があったりする。就労ができない。収入が無いから自立できない。近所の目が刺さる。「あの人いい年して日中ぶらぶらしてる……何やってるのかな」「働きもせずに遊んでばかり、良いご身分だね」等と。

貶されこそすれ、顧みられることは無い。

 

さて、ケースワーカーはケースに対し生活・就労・通院など、様々な指導を行います。

指導の内容として、最初は穏やかに接するものの、あまりにも行動に移さない場合は叱り飛ばしたり突き放したりすることもあります。

 

今まで誰からも見下されて距離を取られていた者に、突如様々な問題点を炙り出して次々とすべきことを提示し、時により叱咤激励してくれる――――。

 

孤独に苛まれていた者の中に、これを受けて勘違いするヤツが出る。

 

ケースワーカーは相棒だ。

ケースワーカーは友達だ。

ケースワーカーは親だ。

ケースワーカーは兄弟姉妹だ。

ケースワーカーは恋人だ。

だから甘えたい、だからプライベートが知りたい、だから手を握りたい。

四六時中電話掛けてきたり、要領を得ない世間話(とも言い難い何か)を長々としてきたり。

ボディタッチをしてくるヤツもいる。昼休みにわざわざやってきて「昼何食べんの?」と聞いてくる(だけでなく答えても帰らないヤツもいる。

担当者が異動するとブチ切れて、「あいつは自分を見捨てた」だの「異動先教えろ」だの言ってくる。退勤を待って家まで着いてこようとする輩もいる。

親身になる理由はたった一つ、自立しろってだけ。

勘違いから積極的に行動して自立してくれるんなら一向に構いませんけど、人によってはケースワーカーと別れたくない」と言って自立を渋ることもあって本末転倒。

 

特にボディタッチとストーキングは立派な犯罪に当たり、ケースワーカー「ケースにセクハラを受けたので精神を病みました」等と言おうものなら秒速で担当を変えられますし、逮捕されれば一撃で生保廃止です。

 

寂しさの裏返しなのはこちらも重々承知です。

だからといって距離感を間違えないでいただきたい。馴れ馴れしい輩はお断りよ!

【生保利用者(と関係者の方々)に覚えておいて欲しいこと②】

ケースワーカー仕事で担当しているだけ。それ以上の感情は一切無い。

友達でも家族でも、況してや恋人でもない。依存しないように。

 

以上二点、生保を利用することになった方々はお気をつけください。

 

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【結論】

生保の制度に任せきるな。

主体は貴方だ!

 

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【おまけ:総括短歌】

ごろつきを養う金はありません 一時凌ぎだ 贅沢できぬ

 

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【Staff】

企画・構成   清水舞鈴

撮影      清水舞鈴

編集      清水舞鈴

制作      清水舞鈴

監督      清水舞鈴


【Special Thanks】

貧困状態なのに生保を利用せず独力で頑張ろうとする貴方

自らの状況を把握し、生保を利用しようと思い立った貴方

水際作戦(※)を食らっても諦めずに申請を行う貴方

自立に向けて素早く行動する貴方

まともな職を見つけ就労廃止となった貴方

保護費で慎ましやかに清らかな生活を送る貴方

スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

※水際作戦:生活保護を利用させない(=自分達の仕事を増やさない)ために、嘘を言ったり脅迫したりして、無知蒙昧な申請者を黙らせ追い返すこと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、上記二点以外にとんでもないことを言っていたケースワーカーがいたので末尾に付記して終了とします。

分かってない方③:受給者でない一般国民

通報してもほとんど改善されることはありません(証拠も無いし集める程暇じゃない為)

長々と複数回訴えてきてもお互いに時間を浪費するだけですよ!(ガチ)

END.