清水の舞台から縄ばしごで降りる

次回は1月末に更新です。人の持ってる本、見たことある?

味変ならぬ香変キャンドル

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▲画面越しで伝えられないこの香り!

カップヌードルの記事書いた時に買ったパラフィンワックスが、食べさせると数人死なせても余りある程に残っています。

これでキャンドルでも量産するか……

 

どうせ作るなら、検索しても出てこないような奴作ろっと。

例えばそう……燃やしている最中に香りが変わるとか。

 


 

●検索結果:多くて二種の香り

オリジナルキャンドルとか蝋燭とかをざっと調べてみても、出てくるのは大凡シンプルなもの。

デカさや形、色を変えていたり、貝殻や花びらを入れてファンシーにしたり。

その中でアロマキャンドルを対象にしているものはというと、香り毎に一個ずつ、多くても二種程度を重ねて作っているものがヒットする。

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製品だと『2 in 1(前後半で変わる)』がヒット

但し既に取り扱い無し

なんでやねん。

背の高い型にいろんな香り付けをしたワックスを順に重ねりゃ良いんじゃないの?

そうしない理由はあるんだろうか?

 

高校時代に行ったブリティッシュヒルズでオリジナルキャンドルの作り方を習ったのを思い出し、ちまちま作ってみることにします。

(※ちなみに高校生の集団カリキュラムとしてオリジナルキャンドル製作があっただけで、一般人向けには存在しないので念のため付記)

 

●味変ならぬ香変させる

キャンドル自体の作り方は至極簡単です。

芯の準備ロウの流し込みの二段階に大別されます。

 

【芯の準備】

①ロウを湯煎で溶かす

②芯になるタコ糸を浸ける

③引き上げて真っ直ぐにし乾かす

※長さが足りるのなら、仏壇の蝋燭を粉砕して芯だけ取り出すのでもいい

 

【ロウの流し込み】

①芯を型の中心に垂れ下げる

②湯煎で溶かしたロウを流し込む

③放置して固まったら完成

 

以上。

早く溶かそうとロウを直火にかけるとか湯煎の時にお湯がロウに入り込んでも気にしないとか手にお湯やらデロデロのロウやらをぶっかけてしまったとか、タブーが幾つかあるという点においてははっきり言って至難で、やるとどうなるかは先人のキャンドル制作者の皆様がネットの海に投下してくれているので是非一読してください。

 

この「ロウを湯煎で溶かす」タイミングで、クレヨンの削り節やアロマオイルを入れると、色が付いたりナイススメルのロウに変わったりするんですね。

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▲だから七色セブンスメルにすることも可能だ

では早速作っていきましょう~。

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▲クレヨンとロウの混合物を湯煎して

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▲すっかり溶けたらオイルを投入

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▲芯をセットしておいた型に流し入れる

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▲これを七つ分繰り返し……

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……あ(気づき)

~~~ッこの馬鹿ッ!!

離型剤塗るの忘れちゃいました~~~ッッ!!

(グラップラー刃牙もしくはコレ風味)

 

【離型剤】
離型剤(りけいざい)は、パンやコンクリート、鋳物など材料を型にはめて製品を作る過程において、型から製品をスムーズに取り出すために使用される薬剤。

※安心と信頼のウィキペディアより抜粋

 

紙コップなら、ホイルカップなら、外をベリベリ引き剥がせば良いだけの話。

ブリティッシュヒルズで作ったのもそれでした。

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▲でもこれプラ!(ロウ投入前)

どうする……いっそかち割ってしまうか?

瞬間接着剤略して瞬接でくっつけ直せば……いや、バリが出る……ッ!

うぅううう~……(混迷)

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▲きゃおらッ!!

今湧かしたばかりのお湯に型ごとブチ込んで十秒!

ご覧のようにすぽっと取れました。気持ち良い~!

その間の写真はありません!(電池切れになってしまったため)

 

と、喜んだのも束の間でした。

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▲全層同じ香りがするんですけど

(ようやくマスク処理を学んだ)

おかしいですね。

ちゃんと異なるフレーバーを混ぜ込んだはずですし、それが視覚的に分かるようにアメリカのお菓子もしくはトイザらス本店の如きギトギトの色合いにしたのですが……

 

あれー? 早くも失敗の予感が……

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▲ま、何はともあれ燃やしてみましょ

(風呂場での撮影につき若干の汚らしさ失礼)

 

その時、私は思い出した。商品化されない理由を

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(動画からスクショで抜いたので、スクショメニューの映り込みがありますがご了承下さい)

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(そして引く程暗いのでライト点けました)

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うむ。

こ れ は 酷 い

 

細い芯故に火力が低く、ワックスの融点が高いために全然溶けてくれず芯周りで固まってしまい、多く練り込んでしまったクレヨンが更に燃焼を妨げ、そしてそんな弱小な焔ではアロマオイルの香りなんぞ立つわけも無し

 

大 失 敗

 

ほんの僅かしか立たないその香りも、案の定全く区別が付きません。

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▲デロデロ混ざり合ってたらそりゃそうだよな!

一段目が溶けて香り、二段目に差し掛かってもまだ香り、ようやく一段目が終わってさあ二段目の純粋な香りがと思いきや三段目に差し掛かり……ブツクサ……

……そういうことを繰り返している内に外に漏れ出でるわ、別の段の外側にこびりついた一段目が一緒に香るわでもうグッチャグチャ

巷の香変キャンドルが何故二層なのかが、言葉ではなく心で理解できた瞬間です。

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▲額縁に入れるとシュールな油彩画のよう

題:『抑圧からの解放、もしくは溢れ出るエゴイズム』

 

製品化されないのには理由があるんだね☆ という話でした。

 

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【結論】

キャンドルを燃やすと絵画になる(そっちかよ)


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【おまけ:総括短歌】

何故売られないのかと言えば 試作にて「駄目だ」と知って諦めたから

 

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【Staff】

企画・構成   清水舞鈴

撮影      清水舞鈴

編集      清水舞鈴

制作      清水舞鈴

監督      清水舞鈴

 

【Special Thanks】

ブリティッシュヒルズ

神田外語グループ(↑の運営母体)

学校法人佐野学園(↑のグループの創設団体)

 

イーズアロマショップ(アロマオイル購入先)

株式会社ease(↑の運営母体)

キャンドル専門店パトラとルミナ

キナリ(キャンドルモールド購入先)

株式会社kemuri(↑の運営母体)

 

『刃牙』シリーズ

板垣恵介氏(↑の著者)

『ブラックジャック・ハンマー先生』シリーズ

ケースワベ氏(↑の制作者)

『進撃の巨人』

諫山創氏(↑の著者)

『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ

荒木飛呂彦氏(↑の著者)

 

スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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▲テスト製作したキャンドルの処分時が

キラウェア山の噴火後みたい

The END.

【無知者】何だこの届出!?

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▲一生で全部使う人のことを届ケニスタと呼ぶ(大嘘)

結婚したら婚姻届を出す。

離婚したら離婚届を出す。

子供が生まれたら出生届を出す。

家族が亡くなれば死亡届を出す。

 

この辺はゼクシィや終活本に載ってるので分かる方も多いでしょう。

 

では、姻族関係終了届は?

 

※WARNING!!※

以下、食事中に読むと極めて不快になるものや、

単純に胸糞悪いものがあります。

苦手な方はブラウザバックを強く推奨します。

また、各種非常に長い内容になるため、

折り畳んで表示しております。

ご興味のある内容から

クリック・タップで広げてご覧下さい。

なお、個人の特定が不可能になるよう、

全て複数人の話(他自治体職員含む)を

混合して記述しております。

 


 

学校では教えてくれないそこんトコロ

パッと回答できた方は、役人もしくは舅・姑と修羅場った人とお見受けする。

 

姻族関係終了届は、『配偶者が死んだ後に出す離婚届です。

 

びっくりした方もいると思います。

そう、配偶者が死んでも婚姻関係は継続するんです。

まあ相続の知識があれば「そりゃそうか」って感じではあります。

死んだ瞬間に婚姻関係が無くなるなら、相続で配偶者は真っ先に切って落とされますからね。

 

『離婚届』という言い方をしていることからもわかる通り、これを出すと配偶者の親・兄弟・祖父母・従兄弟・甥姪・その他一族郎党とは全くの赤の他人になります。

赤の他人にしたい程、そいつらと何かあったということですね。

 

今回はそんな感じの、ごく普通に生きればまず使わないであろう特殊な届出をご紹介。

 

●一部に筆者の偏見を交えます

①全てが分からないってどういうこと? 死亡届

 

②死亡届ではない!? 死亡通知書

 

③どうして何回も? 養子縁組届・養子離縁届

 

④火葬の許可を貰うためだけに…… 死産届

 

⑤刹那の瞬間、親子になれたね 出生届同時死亡届

 

⑥貴方は一体何処の誰? 就籍届

 

⑦僕はここにいる!! 失踪宣告取消届(失踪届の話も少しあるヨ)

 

⑧こんな名前なんか捨ててやる! 名の変更届

 

⑨本当の私は違う! 性別変更届

 

⑩早く日本人になりたーい! 国籍取得届・帰化

 

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【結論】

どれも使ったことが無い貴方は、とても幸せな人。

 

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【Staff】

企画・構成   清水舞鈴

撮影      清水舞鈴

編集      清水舞鈴

制作      清水舞鈴

監督      清水舞鈴

 

【Special Thanks】

ゼクシィ

株式会社リクルート(↑の運営母体)

リクルートホールディングス

 

本稿に記載した届出をする羽目になった皆様

普通ならぬ有様で亡くなられた皆様

全ての届出に携わった職員

 

スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ちょっと知識のある方なら、「え? これだけ?」と思ったことでしょう。

確かにマイナーな届出がまだまだあります。

以下、割と知られているものも含めた一覧です。

 

 

で、どうしてこれらについては書かないのか。

 

簡単です。

ワタクシ、これら届出の実例に会ったことが無い。

 

制度として知っているだけなので、正直私が駄文を連ねるより、直接ググるか役所に聞いて貰った方が圧倒的に早く分かり易いのです。

もし届出をする羽目になった方で、それでも私に聞きたいという希有な方がいらっしゃれば、そっとご連絡をお願い致します。

 

The END.

最強の幽霊文字で不安になる

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▲存在しない文字があるってマジ?

(すぅーごいズームしたからジャギジャギ)

皆さん、こんばんは。

今日はね、ちょっと怖い話をさせて頂きます。

 

信じるか信じないかは、貴方次第です。

(以下、稲川淳二ダイノジ大谷ノブ彦氏(自称・二代目稲川淳二)関暁夫氏(Mr.都市伝説)が喋ってると思って読んで下さい)

 


 

●起

パソコンにね、詳しい方ならちょっと聞いたことが、あるんじゃないかなと思うんですけどね。

皆さん、幽霊文字ってご存じですか。

ま、簡単に言ってしまうと、「何て読むか分からない文字」「何処から探してきたのか分からない文字」です。

 

パソコンの文字って、元々は誰かが手書きの文字を全部データにして入れてくれたものなんですよね。

私達はそれをずっと、当たり前のように使わせてもらってるんですけど、文字って漢字だけでも数万もあるんです。

いや、ありがたいですよね。

 

でもね、そんなに沢山あるし、入れてくれた方も人間ですから、当然間違いも生まれるわけです。

 

●承

大量に入れられた文字データを使っていく中で、段々こんな噂が囁かれるようになりました。

「何処に載ってたのか分からない文字がある」……って。

 

そんな馬鹿な、って思うじゃないですか。

例えばね、自作の文字を入れる、そんなことしますかって。

未来永劫使われるんですよ?

しかも大量に文字を入れるなんて作業しなきゃいけない中で、自作する暇がありますかって。

 

でも噂は収まらない。

「だとしたら何でこんな変な文字があるんだ」って言うんですよ。

 

あまりに皆してザワザワ言うもんですから、遂に国が調査をしました。

国の調査ですから、もう規模が違います。

大昔の字書から果ては電話帳まで、あの公衆電話の下に置かれている黄色い本ですよ、ああいう本まで全部調べ上げて、それで噂の文字が何から取られているのか、どんどん明らかにしていく。

 

それで大部分はね、分かったんですよ。

地名に使われてましたとか人の名前でしたとか、超大昔に使ったきりとか。

そういう本ッ当に狭い範囲でしか使われていない文字というのがあるんですよって、やっと分かったんです。

 

それでも十数個がはっきりとした文献では見つからなかったんですけど、それも昔の人が、写本って言ってね、文章を書き写す時に間違えちゃったんだろうって予想できるくらいには絞り込めたんですね。

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こういう誤字字典なんていうものも役所にあるくらいですから、要は「人間だから間違えちゃう時もあるよね」って結論が出たんです。

 

●転

でもね、一個だけ、未だに、結論が出ていない文字があります。

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皆さん、これ読めますか?

 

読めたって人、それですよ。

パソコンで入力するために、取り敢えずそれっぽい読み仮名が当てられてるだけで、これ誰も読み方を知らないはずなんです。

 

これは、さっき言った調査でも見つからなかったんです。

何処にも書かれてないし、誰も使ったこと無い。

 

そうすると、こう思いませんか。

そもそもこの文字入れたヤツ誰だよって。

何を参照して入れたんだよって。

 

で、国が調べたんですけどね……未だに、分かっていません。

 

誰が入れたのか、何処の会社か、いつ入れたのか、何を元にしたのか。

何もかも分かっていないんです。

一応「彊」の間違いじゃないかなとは言われているんですが、それも似た字を探して無理矢理そう思ってるだけで、何にも根拠はありません。

 

だから私、思うんですよ。

 

これ、本当に人が入れたんだろうか?

 

文字化けってあるじゃないですか。

あれ、言わば文字のバグですよね、文字コードを正しく読めてないってことで。

で、ゲームでもあるじゃないですか、正しくデータを読み取れなくて、ぐっちゃぐちゃの見た目になっちゃうヤツ。

 

もしかしたら、そういう中でたまたま出てきて文字の体裁になっちゃっただけ、本当に幽霊なのかもしれないって私は思うんですよ。

 

だから今回ですね、そんな幽霊さんをデザインとして送ったら、幽霊文字たっぷりの出所の分からないグッズが出来上がるのではないかと思って頼んでみたんですね。

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そしたら本当に作ってくれちゃったんです。

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凄いですよ、じわじわとした破壊力が。

何より読み方が分からないので、不安になりますよね。

エンブレムやツタのデザインを借りてきてお洒落さを演出してみても、滲み出る「異世界の文字」感がありますね。

 

もう狂気ですよ。

着てる本人に読み方を聞いても答えられないんですよ?

意味も分からず英語プリントが施された服を着ている人よりも質が悪いですよね、だって存在しない文字なんですから。

 

更に送ってみました。

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急にあらゆる装備品をね、幽霊文字で固めてくる。

如何ですか、皆さん。

私はお近づきになりたくないです。

 

取り敢えず言えることは、どういうグッズにしても全方位隙無く気持ち悪さをうっすら撒き散らしてくるのが、幽霊文字の実力であるということです。

 

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【結】

とにかく分からない、それが「彁」です。

 

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【おまけ:総括短歌】

分からないなら消しゃいいのに そのまんま残り続ける意味不明な字

 

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【Staff】

企画・構成   清水舞鈴

撮影      清水舞鈴

編集      清水舞鈴

制作      清水舞鈴

監督      清水舞鈴

 

【Special Thanks】

稲川淳二氏

ダイノジ・大谷ノブ彦氏(自称・二代目稲川淳二)

関暁夫氏(Mr.都市伝説)

 

戸籍実務研究会(『誤字俗字・正字一覧』編者)

日本加除出版株式会社(『同書』出版元)

 

TMIX(オリジナルTシャツ作成)

オリジナルラボ株式会社

 

スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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このボトル、380ml入るんですよ。

携帯性と容量を兼ね備えた、

なかなか良いボトルです(自慢) 

The END.

【無知者】カクテルの味は、技法で選ぶのが正解

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▲ビルドは簡単。

グラスに入れるだけですよ奥さん

カクテル、憧れますねえ。

口髭を蓄えた渋いバーテンダーが黙々とシェイカーを振るい、ショートグラスに注いでスッと出してくれる――。

 

でもアレ以外に処方があるって、ご存じでしたか?

 


 

●私は知りませんでした(憤怒)

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▲い~ぃ本を手に入れたんですよ

オトナの象徴であるBARに入る勇気も教養も作法も持ち合わせていない20代後半クソガキのワタクシには、『ちゃんとしたカクテル』なんぞ夢のまた夢。

二種のリキュールもしくはジュースをグラスで混ぜ混ぜする大衆カクテルなら、その辺の飲み屋で幾らでも飲んでいるんですがねえ。

 

「手に入らないなら作れ」を信条にしているので、この度『ちゃんとしたカクテル』のレシピ本を購入。

 

で、読んでみるとまあ、

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▲すてあ?

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▲びるど?

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▲ほわいときゅらそー?

知らん単語の目白押し。

味の想像などつきっこない。

図鑑を眺めるように「うわあーこのカクテルきれえー(・ω・)☆」という感想しか抱けません。

 

そんな中、こんなものが。

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▲「Shaken, not stirred.」

ウォッカマティーニオン・ザ・ロック

『007』が好きすぎる父から、あんまり興味が湧かないのに聞かされていたので存じております。

この本曰く、そしてわざわざ指定するような台詞からも分かる通り、本来はステアで作るカクテルなんですって。

 

じゃあステアってなんなのよということですが、

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▲ちゃんと書いてあるんだこれが

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▲ほー、シェイク以外にもあるんですねー

よしよし、BARに行かずとも家で作って飲む夢が叶うぞ。

 

と、この時は本気で思っていました。

 

●水っぽくなるぞ、シェイクとステア

混ざりにくい複数の材料と氷を一緒に振って、冷却と攪拌を一気にやるのがシェイク。

バースプーンで軽く混ぜて、透明度の高いカクテルを作るのがステア。

どちらもグラスに注ぐ際は氷を取り除きます。

氷はあくまで冷やす目的さえ叶えられれば良く、カクテルそのものには不要なんですね。

時間経過で溶けてカクテルを薄めちゃうし。

 

さて、水中だろうが空中だろうが、物体と物体が擦れ合うと発生するものがありますね。

 

摩 擦 熱

 

熱が氷に触れたらどうなりますか?

融けますよね?

融けたら水になってドリンクに混ざりますよね?

 

結果、超うっす味

マジで安い水割りと変わらない味。

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▲こりゃ駄目だ

シェイク・ステア共に狙った味にするには、味に影響が出るレベルまで氷が溶けてしまう前に必要充分に冷却できる『混ぜ力(まぜりょく)』と、さっさとグラスに注いでしまう手際の良さが必要です。

要は、熟達必須。

 

二十七年間手先不器用で通ってきたあたしにゃ、無理だこりゃ。

でも家で、家でプロいカクテル飲みたいんだよ……。

 

「Shaken, not stirred.」

 

 

そうか。

あくまで混ぜ方の問題なんだから、無理にレシピ通りの技法で作らなくて良いんだ。

美味しけりゃいいんだ、きっと。

そうでなけりゃジェームズ・ボンドのあの注文が成り立たない!

 

なるほど悟ったぞ。

ありがとう、ボンドおおお!

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▲早速この簡単そうな技法で作るよ!(舐めプ)

 

●Build,neither shaken nor stirred.

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▲一式揃えました

バー・ツール通販サイトのナランハさんで初心者用ビルドキットを購入。

その後確認したら、例のい~ぃ本とビルドキットだけが売り切れになっていました。

やっぱ皆ビルドに行くんだな~と全国2000万人(推定)のビルドキット購入者に親近感を覚えます。

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▲「本読んでビルドキット」の流れが見える見える

(画像左上に灰色の四角で『在庫切』と書かれている)

ではでは、味の想像が恐らく世間的につきやすい(けど私は飲んだことが無いので全く分からない)有名処を、全部ビルドで作っていきましょう!

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▲Entry No.1:マンハッタン(本来の技法:ステア)

カクテルの女王だからって技法を変えちゃいけないなんてことあるか!

「Build,not stirred」にしてやります。

 

しかし第一作目にして、早くも問題点発覚。

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▲作り辛いことこの上ない

ビルドは、実際に飲むグラスに直で材料を入れて作る技法。

本来はデカ目のグラスに氷も入っていて、そこに液体を入れるのです。

こんなちっちゃいグラスにバースプーンをぶっ刺す様子はあまりにもアンバランスな上、氷を入れる余地などあるはずも無いため冷却もできません。

(ていうかモロゾフのプリン容器だしグラスですらない)

 

結果、味は良いんですがぬるーいカクテルになりました。

まあ温くてもいいんですよ、そもそも長時間置いておくものじゃないしね。

 

……いや、味も……良いかこれ?

何か舌にプスプス刺さるような、入れた物それぞれの主張が妙にあるような感じがします。

まあ私は『最強水れもん決定戦』で書いた通り喉にガッと来る奴が非常に苦手なので、単に酒の強さ(※マンハッタンは度数32)でダメージ喰らってるだけかもしれませんが……。

 

取り敢えず、どんどんいきましょうか。

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▲Entry No.2:アレキサンダー

(本来の技法:シェイク。物凄く分離した)

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▲Entry No.3:マティーニ

(本来の技法:ステア)

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▲Entry No.4:ウォッカマティーニ

オン・ザ・ロック

(本来の技法:ステア。

オリーブはうっかり全部食べてしまった)

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▲Entry No.5:ダイキリ

(本来の技法:シェイク)

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▲Entry No.6:マルガリータ

(本来の技法:シェイク)

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▲……。

やっぱり勘違いじゃないな。

やたらとエッジが効いているというか、何と何と何を混ぜましたというのが舌で直接分かる感覚。

素材の味を感じると言えば聞こえは良いのですが、調和していないようにも思えてしまうのは何故なのか。

そして恙なく襲ってくる「ガッ」。

 

うーん……?

技法によって味が変わるのか?

 

●「not Build」はどうなる?

そうすると気になるのが、「本来ビルドで作る物を他の手法で作ったらどうなるか」です。

今回は混ぜる強さも混ぜ方そのものもビルドに全く似ていないシェイクで検証。

熟達ができないっつってビルドを選んだのに、結局シェイクもやんのかい!(セルフツッコミ)

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▲ボストンシェーカーを購入。

かなり練習した

振り方は取り敢えず「中で空気が混ざり且つ水流が乱れまくる」っていうやり方ならなんだって良いんじゃないですかねえ(説明放棄)

 

では参ります。

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▲Entry No.7:ミントジュレップ

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▲Entry No.8:ニコラシカ

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▲Entry No.9:ジンライム

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▲Entry No.10:スクリュードライバー

(これだけやたらと量が多かった)

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▲Entry No.11:カイピリーニャ

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▲Entry No.12:フレンチカクタス

(オレンジキュラソーで代替しているため

若干色と香りがついている)

一部異様にきったねえ見た目の奴がいますね。

ミントやライム、レモンを入れて潰し、液体と混ぜるというレシピの方々です。

それをシェイカーの中に突っ込んで、しかも潰してからブンブン振るんですからそりゃ水中に飛び散るわな。

「水垢」という言葉を想起してしまったのも仕方が無いでしょう。

 

肝心の味ですが、やはり丸くなっています。

『ガッ』の度合いも僅かに減っています。

しかしそれはミント・ライム・レモンといった『香り』が身上のものには悪影響でしかなく、味わいとしての酸味や僅かな苦味を感じる程度に落ちてしまいました……。

入れる意味が皆無になったか? と聞かれれば「そんなことはない」と否定しますが、じゃあ入れた方がいいかというと沈黙せざるを得ません。

香り付けとしてのアイテムが入っているカクテルは、サーブ直前に数滴追加するなどそもそもシェイクしないものが殆どであることを考えると、むべなるかなと得心がいきました。 

 

●味変したくて技法を変えたという歴史

シェイクで作った、細かに空気と触れたまろやかさを求める人。

ステアで作った、僅かに氷が融けて混ざった水によって取り持たれる味を鋭敏に感じられる人。

ビルドで作った、ベースの酒の刺すような風味が好きという人もいるのでしょう。

 

ジェームズ・ボンドもまろやかさを求めて、故に「Shaken,not stirred.」と頼んだのかもしれません。

 

この話を裏付ける事実をもう一つ挙げると、ジンライムをシェイクで作るとギムレットになるというもの

否、正しくは、ギムレットの味をやや武骨な感じにしたいと言うことで、ステアで作ったものがジンライムなのです。

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▲い~ぃ本にもはっきりと

ギムレットジンライム』の図式が

カクテルとは本来、質の悪い酒の不味さを隠すための苦肉の策。

ですが今やベースの酒単体でも美味しい時代。

融け合う風味を楽しむか、入り交じりつつも個々の輝きを失わない強さを望むか。

それが技法の違いに出ているのだなあ……とぼんやり思っている内に、吐き気がしてきました。

 

全てアルコール度数が二桁のカクテル。

どう考えても飲み過ぎです、本当にありがとうございました。

 

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【結論】

飲みたい味に合わせて、技法を選べばいい。

 

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【おまけ:総括短歌】

 美味い酒 飲みたいという欲望が生んだ数々の技法とレシピ

 

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【Staff】

企画・構成   清水舞鈴

撮影      清水舞鈴

編集      清水舞鈴

制作      清水舞鈴

監督      清水舞鈴

 

【Special Thanks】

上田和男氏(『カクテル手帳』監修・バーテンダー)

今福貴子氏(『同書』取材・文)

高田浩行氏(『同書』撮影)

 

バー・ツール ナランハ

株式会社ナランハ(↑の運営会社)

 

ジェームズ・ボンドシリーズ

イアン・フレミング

 

スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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▲腱鞘炎になるの二回目だよ……はぁ……

The END.

『落穂拾い』が怖いからどうにかする

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▲テメェなんか怖かねぇ!!

野郎オブクラッシャアアアアアア!!(ベネット)

(西洋絵画美術館より引用)

皆様も当然ご存じかと思います、ミレーの傑作・『落穂拾い』。

 

突然ですが伺います。

 

この絵、怖くありませんか?

 


 

●ある晩、動いた

私ははっきり見ました。

この絵に描かれたおばさん達が「あーイタタ」と言うように腰を反らしたのを。

 

そしていきなり右端のおばさんが、ギャンッという字幕が付きそうな程の勢いで振り向いたのも。

 

げに懐かしき二十年前、春先のバリ島にて真夜中に。

 

振り向いたおばさんの顔は、実は見ていません。

目を合わせたら終わると思ったので、布団を光速で被ってやり過ごしました。

しかしそれ以来、この絵が薄気味悪くて仕方がない。

 

いつかこいつらが不意打ちで振り向いてきて、心臓発作を起こさせて殺しにくる気がする。

 

だから今回はいつ振り向かれてもいいように、怖くないアレンジを施して恐怖を克服しておこうというものです。

 

●怖くないアレンジ五連打!!(丸藤亮)

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▲Entry No.1:ポップな色合いに

元絵は全体的に同じくらいの明度・彩度の色で描かれていて、地味かつ陰惨な感じがします。

そこで無駄にギンギラギンなカラーリングに変えてみました。

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▲バージョン違いを並べて

アンディ・ウォーホルを気取ってみる

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▲何かお洒落だったのでTシャツにした

良いですね!

明るくて、ポップアートとして流行りそうな雰囲気になりました。

黒地のTシャツにパキッとした色が映えること映えること。

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▲モノクロ版もなかなかシャレてる

なおセピアカラー版は普通に怖かったので画面を即閉じしました。

元の色味がセピアライクだからかな……。

 

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▲Entry No.2:『いらすとや』にご登場頂く

名画の全要素を『いらすとや』に差し替えるという暴挙。

元の絵の怖さや不可思議な明るさ・侘しさは彼方に吹き飛び、ボランティアに勤しむほんわか家族絵と化しました。

「もう落穂拾いじゃねーじゃん、ゴミ拾いじゃん」というツッコミは野暮です。

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▲こんなクソコラでもレイヤ12枚使っている

製作最中は更にパーツが分化していたので、レイヤは最大30枚でした。

あと地味に各種大きさを弄ってバランス調整しています。

こんな雑コラの癖に。

 

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▲Entry No.3:もっと簡単にピクトグラム

更に単純化してみました。

緑が被って大変に見辛いので輪郭は追加しています。

もはや元が何なのかわけわかめですが、これなら可愛さすら感じて全然怖くありません。

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▲なお『ピクト緑』の数値はこちら

赤28緑140青66

あ、本記事で一番役に立つ(かもしれない)の、この数値だけですよ。

 

f:id:mdfs00:20210722210514j:plain ▲Entry No.4:ガーリー要素を追加

これ一番時間掛かりました。無駄に。

その癖、いまいち萌えない娘を僅かに髣髴とさせる低クオリティ。

フリル、リボン、花柄、猫耳と尻尾という、一言で言えば「これはひどい」。

明らかに農業に向いていない邪魔臭い装飾。

 

この絵が仮に振り向いてきたとしても、多分「はわぁ~……疲れたにょ☆」みたいな感じでしょう。

怖いというよりめっちゃ腹が立つ

そのキャンバスブチ破ったろか、あぁん?

 

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▲Entry No.5:ドット絵にする

うーむ……ホラーゲームの背景に出てきそうな感じになってしまいました。

しかしこの粗いドット絵が振り向いたとしても、顔の表現が出来ずにのっぺらぼうになることは目に見えているし、故にこちらも覚悟が出来ているというもの。

そういう意味ではドット絵もなかなか、怖さを減らすのに向いていますね。

 

ちなみにこの画像、実際にドットを一から打ったわけではありません。

 

①元絵を256色ビットマップで保存

②そのビットマップをサイズ1/3にして保存

③1/3になった画像を元絵のサイズと同じになるよう単純拡大して保存

 

……というステップを踏んで作った擬似的なドット絵です。

 

いろんなゲームやグラフィックに使えますよ。

皆様も是非。

 

さあ、というわけで怖くないアレンジが五種類出揃いました。

この中で個人的に一番怖くないと感じたのは……デレレレレレレ(ドラムロール)

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▲デン!!

Entry No.3:ピクトグラム

落ち穂拾いであることを示しつつも、その圧倒的な恐怖の無さは特筆に値します。

その根底からの不安要素吹き飛ばしっぷりは、他の作品との格の違いすら感じさせる程。

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▲空港に表示されていても違和感が無い

(元画像:写真AC)

空港から出てすぐのどかな景色が広がるということを教えてくれる、心癒やされに来た旅人への親切な案内表示にも使えます。

とはいえ咄嗟に「この先、農場」と読まれてしまう可能性も無きにしも非ず。

……いや、そもそも何が描かれているか遠目には分からないな(本末転倒)。

 

恐怖払拭度合いだけで言えば『Entry No.2:いらすとや』も肩を並べてはいるのですが、言うてあれはボランティア募集のチラシに描かれた挿絵です。

あれを見せて「落ち穂拾いが元ネタ」と回答できる人はまずいないでしょう。

 

極限までにシンプルで、究極に怖くない、空前絶後の模式図。

それこそがこのピクトグラムなのです。

 

五作品も怖くない『落穂拾い』を作れたので、とってもすっきりしました。

本物を見てもこの作品群を思い出してフフンと笑える自信があります。

どんとこいや。

 

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【結論】

でもあの時動いたのは何でなん?(真実は闇の中)

 

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【おまけ:総括短歌】

貧民のために落ちてる麦の粒 地主の功徳 聖書の教え

 

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【Staff】

企画・構成   清水舞鈴

撮影      清水舞鈴

編集      清水舞鈴

制作      清水舞鈴

監督      清水舞鈴

 

【Special Thanks】

ジャン=フランソワ・ミレー氏(『落穂拾い』作者)

 

西洋絵画美術館

ギャラリーアオキ(↑の運営母体)

 

アンディ・ウォーホル

TMIX(オリジナルTシャツ作成)

オリジナルラボ株式会社

いらすとや

HUMAN PICTOGRAM 2.0

神戸新聞社(いまいち萌えない娘を爆誕させた気鋭の新聞社)

phon-ta氏(空港表示の写真撮影者)

 

スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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▲これが問題のセピア調。

元絵の不安感そのままに色が減ったので怖い

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▲反転させてみた。余計なことをした。めちゃ恐

The END.