▲成歩堂龍一氏も異議を叫ぶ
(異議ありジェネレーターより画像をお借りした)
私が現職公務員だというのはチョイチョイ明かしておりますが、世間的に公務員程ヘイトを稼ぎやすい職は無いのでは? と思う今日この頃。
『モンスターハンター』をプレイすると、距離が一番離れていてダメージもほぼ与えていないはずの私に向かってリオレウスが突っ込んでくるんですよ。
現職を察して動いてくるとは、カプコンの技術力恐るべし。
そんな公務員、というか役所のムカつく部分を、実際に私が見聞きした言動を交えてご紹介します。
最初に言っておくと、今から出てくる輩は同じ公務員として本当に恥ずかしい奴らです。
ヘイトを抱いた皆様の代わりに私が殴ってやりたいです、マジで。
①「察して下さい」
手始めに知人の経験から一つ。
一発目にして本記事中最大に強烈なアホタレです。
正直ここだけ読んでブラウザバックしても良いレベル。
知人が役所にご家族の除票を取りに行った時のこと。
該当のご家族は海外に行っており、住民票上は「かつて住んでいた人」(=除票)扱いになっているのです。
その除票が、日本にいる自分の手続きで必要になったとか。
で、役所に取りに来た。
ところが受付した職員が頑として首を縦に振らない。
理由は「今現在で別世帯なのだから委任状持ってこい」というもの。
なまじ私から「ウチの自治体ではどういう判断で発行しているか」を聞いているだけに、知人は納得がいかない。
・二親等以内の家族なのだから委任状省略は可能では?
・家族であるかの確認は本籍地に問い合わせればいいのでは?
・他(=私の勤める自治体)ではそれで対応しているのに、何故ここはやらないのか?
(※注:「二親等以内親族なら委任状省略可能」「親族の確認は職員が本籍地にできる限り問い合わせる」の二点は自治体の裁量で行っているため、やっていない厳格な市区町村も多い)
以上三点を指摘し食い下がるも、職員は一切怯まない。
最終的に知人がキレ気味に「今海外にいる人間に委任状書いてもらえというのか」と聞いたところ、職員が放ったのが、
(※以降、ムカつく言動が続くのでイメージでお送りします)
……知人、唖然。
何も言えずに帰宅したそうで……
私「『は? 察しろって何を?』とか言わなかったの?」
知「言えませんでした……」
私「じゃあ察してやろうや。FAXで委任状作ってやれ」
知「えッ」
私「向こうが察しろって言ったんでしょ? 直筆で作れとは指示出してないよね?」
知「えッ、でも基本そういうのって直筆じゃ……」
私「その役所のWebサイト見てみ。一切書いてないぞ、直筆にしろなんて」
知「おおぉ!」
私(まあホントはエアメールで直筆文書をやり取りするのが正式なんだけど、公務員たるもの、民衆=言わないと分からない人々という前提で対応するのが当然だしな。察しろとか無いわー)
知人はその後本当にFAXで海外のご家族と委任状をやり取りし、それを役所に持参。
その職員、直筆かどうかすら見抜けなかったらしく、そのまま除票を取れてしまいました。
その後数日して役所がようやく直筆でない事実に気付き「直筆のものと差し替えて欲しい」と要請してきたそうですが、
という嫌味を垂れて無視を続行中です。ナイス。
ちなみにですが私の勤める自治体では直筆かどうかをまず見る上、明らかに目の前の代理人の筆跡と同じだった場合は拒否します。
②「それは言えません」
これは私自身、「詭弁だな……」とも「当然だな」とも考えられてしまう難しい話です。
皆様は「住民票への通称記載」と「夫婦間での世帯分離」をご存じですか?
※通称は、今回の記述では「外国人が日本で活動するにあたり、通りの良いように使っている名前」だけを指す。
どちらも受理される難易度がゲロ高い手続きでございます。
通称を住民票に載せたいのなら、その使っている通称が印刷されている書類を複数点見せなければいけません。
本来なら生計を共にしているはず(=同世帯)の夫婦が全く別だというのなら(=別世帯)、その証拠を見せないと役所は受けてくれません。
では証拠品とは何か?
当然その疑問を抱いて、来庁する人も数多くいます。
で、こう聞いてくるんですね。
「何を持ってきたら、受付してくれますか?」
コレに対する役所の回答はこうです。
ハァ?
お前らが証拠品持ってこいっつっときながら、持ってくるべきものについては教えませんって何なの?
これはムカつきますね。
私も最初聞いた時は目が点になりました。
で、何を持ってきても難癖つけられて受付されず、根比べになるのが関の山となります。
ではどうしたらいいのか?
貴方の思う「証拠品」の中で、第三者が証明しているかつ再発行ができないorほぼやってくれない印刷物があり、しかも全て発行元が違うものであれば、それをできるだけ多く持っていく。
これだけです。
難癖のつけようが無いものを持っていくしかない。
こうやって見ると分かりますが……
通称の記載については、通販で送られてきた宅配便の宛名シールなんざ証拠になりません。
あんなもの、通販サイトの会員情報をチマチマっといじくるだけで変えられるので、本人が如何様にも嘘をつけると言われてしまいます。
だから通称の証拠となるのは例えば雇われ先の在職証明書か社員証か保険証(自分が社長になっている会社なら駄目。自分でいじくれるから)、登記簿、公共料金の領収書など。
そして夫婦間の世帯分離の証拠は、まず用意できないことが分かると思います。
夫婦の話を、何処の第三者機関が証明できるんでしょうか?
家賃や公共料金を綺麗さっぱり折半しているなんて、公文書でどうやって見せつけるんでしょうか?
しかし流石に不親切が過ぎると思うので、私の勤める自治体ではこうお伝えしています。
「例えば○○とか××とかが挙げられますが、だからといってそれだけ持ってきても受けるとは限りません。人によって用意できる書類というのは千差万別なので、例を挙げきれないのです。そしてお客様の思う○○が、我々の思う○○ではないかもしれない。それだと折角お持ち頂いたのに、受けられないこともままあります。ですから、こちらの回答としてはこうなります。『お伝えしきれないので、まずは用意できうる限り多くの資料をお持ち下さい。それをこちらで判断させて頂き、仮に受付できない場合でも必ず「▲▲のようなものはありますか?」といったようなご提案をさせて頂きます』と。」
この回答をして暴れられたりごねられたりしたことは、只の一度もありません。
仮に受付できなくても、納得される方が多いです。ありがてぇ。
③「貴方の事情は知りません」
来庁する民衆の皆様の中には、法律を全て無視して「自分は神だから丁重に扱え」ばりの態度で我が儘奔放に振る舞うカスハラ野郎がいます。
そういう屑にはこちらも「お前の事情なんぞ知ったことか、日本に住む以上日本の法律に従え」という罵倒を喰らわす場合があります。
(※この手合いは基本的に頭がイッてるので、わざと罵倒して手を出させてお縄に掛かってもらおうという意図もある)
当然それ以外の健全な皆様には言ってはいけません。
そう例えば明らかにその人の親のせいなのに目の前の本人に向かって言うとかな!
出生届が出されていなかったせいで二十数年間無戸籍だった人間に、
と言い切った職員を見た時はドン引きしました。
横から入って非礼を全力で詫びつつ、遡っての出生届の出し方、それに伴い必要になる書類・手続きを案内し、最後にもう一度謝罪しました。
しかしそんなことを言い放たれて怒りが収まる訳が無い。
しかも言った張本人は全く悪びれていないともなれば。
当然、大炎上しました。
客「貴方(=筆者)が同じ職員の立場として謝って下さったのは分かった。それは有り難く受け取ります。お前だこの野郎! 何で平然としてんだよ!!」
後で炎上発言した職員に事情を聞いたら、「成人過ぎてる癖にいつまでも受け身で、聞いてるんだか聞いてないんだか分からない態度でムカついた」とのこと。
しかし隣で受付していた職員の「お客さんは本当に分からないから、真剣に聞こうとしている感じがした。受け身なのではなく、質問のしようがないという雰囲気」という発言からするに、どう考えても悪いのはこっち。
炎上発言職員と共に上司が出て謝罪する羽目になっていました。
当 た り 前
●役所の厳しさで分かる、市区町村の民度
さて、たった三つの、それだけでありながら最強にムカつく役所の発言を取り揃えました。
上記に限らず皆様も、「態度が冷たい」「ムカつく」「わざと面倒臭くして、諦めさせようとしている」「鼻につく」と思ったものがあるでしょう。
何故役所は住民フレンドリーになれないのだろうか?
私も公務員になってからずっと考えてきました。
タスクを捌くのに必死でフレンドリーどころではない?
そもそも人手が足りていない?
法律や条例が時代遅れになっている?
ムカつくとか言ってる奴が単に堪え性の無いカスハラ野郎なだけ?
要因は決して一個だけではないでしょうが、私が役所の中に入って知ったのは、極めて大きいある理由。
過去に、犯罪者が出たから。
・語られる事情を慮って対応をした結果、詐欺に使われた
・資料が用意できないので証拠となる申述書を書きますというから出させたら、内容が全部嘘
・赤の他人になりすまされ、しかも逃げられた
・脱税のために事務所を居住地と申請された
こういう馬鹿野郎共に共通するのは、必ず「用意できるはずのものが無い」こと。
事件が起きれば役所の責任問題にも関わる。
だったら対策は簡単ですよね?
「用意できない奴=犯罪者」と思ってしまえばいい。
(※当然ですがこの女性はイメージモデルです。ご本人と赤文字は何も関係ありません)
即ちこれまでの三つも、役所サイドはこう考えています。
①「察して下さい」
→「発言を逆手にとるつもりだな」
②「それは言えません」
→「聞いてから証拠品を作るつもりだろう」
③「貴方の事情は知りません」
→(職員の、客を見る目が無さ過ぎなのもあるが)
「甘くすれば付け入られるだろう」
面接と同じです。
もしも貴方が役所に行って厳しい態度を取られたら、過去にそういう屑がいたと思って下さい。
そして貴方自身が、その屑と同じに思われているということを……
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【結論】
疑うのが警察の仕事?
いいえ、役所もです。
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【おまけ:総括短歌】
条例や法改正を待つよりも とっとと出直す方が早いよ
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【Staff】
企画・構成 清水舞鈴
撮影 清水舞鈴
編集 清水舞鈴
制作 清水舞鈴
監督 清水舞鈴
【Special Thanks】
『逆転裁判』シリーズ
『モンスターハンター』シリーズ
株式会社カプコン(上二つの開発・販売元)
ro_shinowa氏(異議ありジェネレーター作成者)
写真AC
役所からの指示をバックれている知人
カスハラに陥っていない、清く落ち度の無い全住民の皆様
スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方
ちなみに一番自治体差が出やすいのは、本人確認そのものです。
ある自治体では身分証が無くても、聴聞(本人の生年月日や干支、本籍等を話せば良い)で済ませてくれる場合があります。
しかし都心部や、ドヤ街を抱える地域では絶対にそれでは対応しません。
ある研修で出会った、同じく公務員の方に聞いた話ですが、実際に「前の自治体では聴聞だけでやったんだから、ここでもやれ」とあまりにもごねる(というか威張り散らす)阿呆がいたとのこと。
それに対するその方の返答は、
その後待合室にいた他の住人に暴力を振るった廉で、阿呆は警察沙汰になったとか。
こういう輩は元の自治体どころか地に還りたまえ!
The END.