▲誰だこんなの考えたのはあああ
(↑答え:私)
八月初旬の一週間、バリ島へ旅行して参りました。
ウブドでケチャを見たり田園コースを散歩したり……
クタでお土産を物色したりプールに一日中入っていたり……
サテ(焼き鳥)は勿論のこと、ソト・アヤム(チキンスープ)やミー・ゴレン(焼きそば)も、食べた瞬間に「帰ってきたぜェ~!」って感じましたね。
※2019年8月号でも書いた通り、筆者は物心つく前から両親にくっついてバリ島へ毎年行っているため、あちらの料理に慣れ親しんでおりバリ島が第二の故郷と化している
さて(サテじゃないですよ)、飛行機で行く旅行の楽しみの一つが『機内食』なのは、旅客の皆様にとって周知の事実。
今回はビジネスクラスで行ったので、機内食がまず前菜から始まりました。
▲食べ進めてから慌てて撮影
左上の抹茶そうめんは涼しげで、ほんのりと香りが立って美味しい……。
帆立串と柚子味噌田楽も、ぷりっぷりでNice……。
ふぅ~……ちょっと一息。
▲Yuan Yangとかいう
知らないドリンクを貰ってたんだ
ミルクティーみたいな色。
良い香りだなあ……香ばしくて、ちょっと甘い感じ。
ずい。
!?!!?
何だコレ!?
●えっ、紅茶とコーヒーを混ぜたもの?
▲見た目はカフェラテだけど……?
その味は、香りと同じく香ばしく、そして甘味があってとても飲みやすいです。
カフェラテみたいな感じです。あれをもっと甘くしたようなもの。
しかしコーヒーというにはやや薄く、アメリカンコーヒーで作ったカフェラテと言われたら信じるレベル。
でもカフェラテならカフェラテと書くと思いますし、カフェラテと決定的に違うのは爽やかな後味。
ベタつかずにスッと流れていく感覚が新鮮で、迷わずCA殿を呼んでしまいました。
――Excuse me,What is this made from?
「Yes,Miss.From tea,coffee,suger and condensed milk」
今Teaって言わなかった?
――I love it!
「Thank you,Miss:)」
CA殿から得られた回答としては、このYuan Yangなるドリンクは紅茶と珈琲を混ぜて砂糖と無糖練乳を入れたものである、と。
後で分かったことですが、これ鴛鴦茶(えんおうちゃ)というもので香港の飲み物だそうです。
大体は砂糖と無糖練乳を入れるので、乳を意味する「奶」がついて鴛鴦奶茶とメニューに書いてあることが多いらしい。
へーなるほど……。
紅茶が入るだけで、珈琲の香ばしさを残しつつスッキリさせられるのか……。
▲じゃあ他の飲み物とも合わせたいよね
(後ろにあるのはCOMMON QUESTの掲示板)
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●本題:珈琲と最高に合う飲み物を探そう
珈琲はその強い苦みと酸味、芳醇なる強烈な香りが人気。
紅茶は香りも味わいも共にじんわりとしたもので、こちらの方が好きだという方も大勢。
つまり珈琲と紅茶は互いに両極端なところにいるので、合わせたときに凸凹を補うのは当然のことです。
でも「強い×強い」でも良いものが生まれることだってあるんだし、いろいろぶつけたら意外と良いカップルが出来るんでない?
そういう発想になるのは最早約束された未来です。
【ルール】
・合わせるドリンクは既製品を使用
ファストフード店でも出されるドリンクとのことなので、ペットボトルなど市販されている形態のものを選びました。
急須で一からお茶を淹れるとかは、きっとしていないでしょう。
・小さじ1の砂糖を加えるが練乳は入れない
お茶、酒などに対して。
元から甘味のあるもの(ジュースなど)には使いません。
また今回は味を誤魔化さないよう、練乳は入れないバージョンで作ります。
・コーヒーを入れてからドリンクを加える
いろいろやり方はありそうですが、これに統一します。
ちなみにコーヒーは、美味しいからと買いすぎた豆が余ってるので、挽いてプレス抽出したものを使っています。
深い苦味があり、酸味は殆ど無いので割と素直な味です。
▲抽出中
・コーヒー:ドリンクは1:1。但し例外あり
基本的に半割。
但しお酒のみ、『最強水れもん決定戦』で判明した、飲みやすくもお酒の味が感じられる4:1で作ります。
半割にすると間違いなく「まずい」で終了すると思うので……。
・五観点&五点満点評価
・コーヒーの風味:コーヒーの味が感じられるか
・ドリンクの風味:合わせたドリンクの味がするか
・後味の良さ:本家鴛鴦茶のような美味しい後味か
・合う度:味として成立しているか
・やる意味:人に勧めたいか
全て0が最低、5が最高です。
なお、コーヒーの風味・ドリンクの風味が5だからと言って、美味しいとは限りません。
バラバラに飲んでいるのと同じという意味で出てくる場合があると予想されます。
【ルール説明終わり】
では、怒濤の20組をご覧ください。
①緑茶
英語表記で「Rich GreenTea Relaxing with GreenTea Umami.」とわざわざ書く程に自信の籠もった作品、それが生茶。
ペットボトルのお茶なのに「よくふってからお飲みください」とあり、味もまるで急須で淹れたような本気を感じさせます。
ペットボトル緑茶の常として、酸化防止のため入っているビタミンCの不自然な酸味がありますが、この生茶はそれが他製品と比べやや弱くなっているのも特徴。
さあ、和を代表するこれとコーヒーは合うのでしょうか。
うわあ、やる意味が無いですわ。
緑茶の風味がコーヒーに吹っ飛ばされています。
そのくせ緑茶の旨味のせいなのか、本家鴛鴦茶の様なスッキリさも全く演出できておらず、悪い意味でコーヒーの味が丸くなってしまっています。
舌の奥に一瞬しがみつく緑茶コーヒー。
不味くはないけど美味くもないって感じです。
これなら水を淹れてアメリカンコーヒーと言い切る方がまだマシ。
②玄米茶
香ばしく炒られた玄米の薫りが麗しいこちら。
「抹茶入り」による、抹茶無いバージョンとの違いはよく分かりませんが(何せ抹茶無しが存在しない)、伊右衛門は抹茶に拘るブランドなのできっとじんわりした苦味とふわりと漂う甘味がそれなのでしょう。
緑茶と比べ香り強め・後味薄めのこれは如何でしょうか。
よし、これは良い。
玄米の香ばしさが僅かに加わることで、コーヒーの香ばしさをそっと支えています。
後味もサラリとしており、砂糖ともぶつからない風味です。
玄米茶自体の味は殆どしませんが、本家鴛鴦茶並の演出は出来ているのではないでしょうか。
紅茶は無いけど玄米茶ならあって今すぐ鴛鴦茶を飲みたい方には、これでも充分だと思います。
③焙じ茶
京都のお茶専門店協力の下で「にごり」を追求するブランド『綾鷹』よりほうじ茶を召喚。
こちらも「よく振ってからお飲みください」の表記あり。
竹か、一個一個手作りされた湯飲みを模したようなデザインのペットボトルと相まって、今焙じて淹れたかのような香ばしくも甘い味わいが特別な一杯を演出します。
棒ほうじが何なのかよく分かりませんし茶柱のようにボトルに入っているわけでもありませんが、「○○入り」と書いてあると特別感が増しますね。
玄米茶よりも強めの後味。
香ばしさがより強くなり、こちらの方が味を濃く感じて好きだという方も多いと思います。
入れた意味をちゃんと感じますね。
今回は無糖練乳を入れずに作っていますが、もし入れるのであればほうじ茶に軍配が上がるかも?
④烏龍茶
「Rich & Clear Taste」だそうですよ、奥さん。
極めてシンプルに「○○入り」ですらない分、「福建省推奨」という烏龍茶生産量第一位の地をさりげなくアピールしてきます。
味は良い意味で普通で、故に日常使いでき安定して売れる味わい。
しかし烏龍茶には独特の酸味があるのですが、それが吉と出るか凶と出るか。
あ~……駄目ですね、コーヒーの酸味と見事にぶつかりました。
先述した通り使っているコーヒーは酸味が殆ど無いものですが、ゼロではありません。
コーヒーが苦手・嫌いな人はこの酸味をえぐみとして感じるとのことですが、烏龍茶追加バージョンを飲ませたらブチ切れるんじゃないでしょうか。
砂糖増やせばどうにかできそうとかいう味ではないです。
一言で言えば、中国とヨーロッパの関係がアヘン戦争時代(あれは主に対英だけど)に逆戻りしそうな感じ。
⑤麦茶
私が職場で良く買って飲んでいるドリンク第一位です。
置かれている自販機で唯一600mlという大容量故に割安だからです。
おトクさだけで選んでますが、優しくも確かに感じる麦の香味が美味しいNICEな逸品でもあります。
今回は更に多く650mlとありますが、安さだけではない妙味を奏でてくれるでしょうか。
ボトルに描かれた笑福亭鶴瓶さんが見守る中でのチャレンジです。
奏でてくれました!
もしや最強はこれか!?
麦の味とコーヒーの苦味が互いに手を取り合い、適度に苦味を抑えつつも香り高く飲みやすいドリンクに進化してくれています。
砂糖の甘さがあってなお違和感が無いのは、麦茶に砂糖を入れて飲んでいる人もいることから考えれば当然でしょうか?
私は砂糖麦茶飲んだことがありませんけども、母が昔そうやって飲んでいたそうです。
私自身、受け入れやすいDNAを持っているのかも?
⑥コーンシルク茶
▲セブンセレクト『もろこしヒゲ茶』
(※ハングルを和訳しているため、
本来の商品名とは異なる可能性がある)
韓国に行って直接買ってきました。
玉蜀黍のヒゲ(Corn Silk)を使った紅茶のような飲み物です。
薄味の麦茶のようですが、飲み下す瞬間に玉蜀黍の実を食べた時のような甘さと気にならない程度の青臭さが鼻に抜ける独特の味が人気。
昨今はカフェインが入っていない安心感や食物繊維が含まれていることによる美容効果から日本でも飲む人が増えていますね。
……甘味と青臭さ……コーヒーと合うのでしょうか。
緑茶未満。
コーヒーによってコーンシルク茶のコーンシルク茶たる風雅な味わいが全て抹消されました。
コーヒーも薄まっただけ。後味スッキリ以前の話。
コーンシルク茶をわざわざ淹れる理由が皆無です。
どうしてコーヒーは中国や韓国に辛く当たるんですか?
コーンシルク茶が可哀想になってきました。
単体で味わってあげてください。
~【ここからお茶以外】~
⑦ココア
家で余ってたものです。
多分今は更に改良されて別名の商品になってるのではないかと。
リンク先が2008年の情報である上にウチのこれも賞味期限が2014年4月18日って書いてありましたからね。
今年って何年でしたっけ?(白目)
中の粉が湿気ってくっつき、煎餅みたいになってたんですがこれは飲んでいいのか?
粉(という名の煎餅)をお湯に溶き、コーヒーを注いで、いざ。
飲んだ瞬間に理解しました。
ただのカフェモカ。
既に成立しているレシピです。採点不可。
⑧コーラ
別にペプシさんでも良いんですが(←味の違いが分からない)、目の前にたまたまあったのがコカさんだったのでチョイス。
薬剤師開発という変わった経歴を持つコカさんの味については、最早わざわざ述べる必要も無いでしょう。
炭酸の刺激、独自の割合で調合されたスパイスの甘味、後味でスキッと響く酸味。
何回もロゴを目まぐるしく変化させ新鮮なイメージを突きつけてきたペプシさんと違い、百年以上ロゴがそのままで「俺はこのままだからこそ売れる」という動じない精神をお持ちのコカさん。
アメリカ生まれは赤道生まれのコーヒーと出会い、どんな物語を見せてくれるのでしょうか。
注いだ時に尋常じゃなく見た目の汚ぇ泡が発生していつまでも消えなかったのが不安ですが……。
▲飲んだ瞬間。二十四歳の顔かコレ
不味い。これは無い。酷い。
まずコーヒーで弱められた炭酸がジジジと言って、「お前の次の台詞は『不味い』という」とそう囁くんですよ、私のゴーストが。
直後、苦甘い味がガッと押し寄せる。
甘苦いのではなく、苦甘い。この順で流れてくるのです。
苦甘い=チョコレートと思えるなら良かったんですけど、チョコレートのような仲良しこよしな苦味と甘味ではないです。
「犬が西向きゃ尾は東」の犬と尾の関係です。真逆向いてる。離婚直前の芸能人並みの気まずさです。
後味だけ無駄に爽やかで美味しいと思えるのが、悪足掻き以外の何物でもありません。
それに救われようとすると、コーヒーの臭い(香りじゃないです)+コーラのスパイスの臭いが鼻腔を突き刺し抜けていく。
一言で言うなら薬臭い。
匂いの強さは違えど、初めてリポビタンDを飲んだ時並の衝撃です(超薬くっさいですよね、アレ)。
「コカ・コーラは薬剤師が開発した」をこの臭いで実感した程です。
要するに、コーヒー豆の生産者さんとコカ・コーラさんに五体投地で謝罪したくなったのです。
二度とやらねぇ!!
⑨ラムネ
飲み口までのフルガラスボディではありませんが、『ガラス瓶のラムネ』の懐かしさ・縁日の楽しさはきちんと持っている作品。
味はレモンのような透明感ある酸味と、ガツンと来ない優しい甘さで、焼きそばやたこ焼きを食べながらでもベタベタしない感じ。炭酸は弱め。
ちなみに「ラムネ」のロゴの側には「シャンデリア」という表記とシャンデリアのイラストが。
何でシャンデリア?
ガラス製の照明のような豪華さ・美しさ・レトロ感を持たせたかったのでしょうか。
……それはともかくまたコーラの時のようなきったねぇ泡が出てるんですが……。
▲またこんな顔に
コーラの衝撃の直後なのでまだマシに感じますが、冷静かつ客観的に判断するならこれも無しです。
薄ら笑ってるように見えますが錯覚です。
実際は「何なんだお前は……」と口元が歪んだだけのこと。
コーラに比べれば臭いも味も弱いために衝撃度・不味さも弱いのですが、じゃあコーラとラムネとどっちを選びますかと聞かれたら「どっちもねぇよ」と食い気味に即答したいですね。
薄い炭酸→苦甘さ→爽やかな後味→臭いふわ~んの流れもコーラと同様です。
それぞれが若干弱まっているだけ。
⑩炭酸水
コーラとラムネ、炭酸飲料の二大巨頭がコーヒーと言い争う中、ワタクシは思いました。
二つに共通する僅かな希望は、後味の爽やかさです。
これは炭酸による若干の酸味とシュワシュワ感に起因するものと感じました。
薄くなった炭酸が他の味と相まって不味く鳥肌モノに感じるのなら、「他の味」が存在しない炭酸水はきっと後味だけ演出できるはず(希望的観測)。
売り場で一番安かったこの炭酸水、やけに酸味が強く嫌な予感がビンビンですがその実力は如何に?
▲何でこんな思いをせにゃならんのだ!!
砂糖の使用・不使用の二パターンで作りましたがどっちもこのグラフです!(憤怒)
これとコーラとラムネのどれかだけを一生涯飲んで過ごせと言われたら、絶対にコイツだけは選ばねえマジで!!
他の味が無い=逃げ場所が無い!!
後味が特に酷く、いつまでも舌の根や口蓋垂にしつこく纏わり付いています。
ストーカー並です。お巡りさん、コイツです!
具体的には、コーヒーの風情ある酸味に覆い被さり陵辱しようとするえげつない酸味、そこへ気味の悪い炭酸が手錠やガムテープなどの拘束具を持ってやって来た感じ。
早い話が最低の極み。組み合わせたことを人類の原罪にしたいレベル。
これだけ忘れ去れるように絶妙な力加減で後頭部を殴打してくれる方はいませんか?
うわあああこんなことを考えた私を私は憎む!
このコーヒー豆はドイツでわざわざ買った奴だぞ、ああああ勿体ねえ畜生おおおお!
⑪日本酒
度数14、やや甘口かつあっさりした飲み口が特徴の、飲みきりサイズ日本酒。
そのまま飲むと「ガッ」と来るので私にはキツいですが、鼻に抜ける香りはふんわり優しいので対比が面白いです。
ガンガンに熱くした燗で飲むのがオススメとのことなので、アッツアツのコーヒーを注いでやりました。
香りに酒感はありませんが、甘味は活きているのでしょうか。
▲これは修行ですかああ!?
(コップが変わってるのは、
年一回の漂白剤処理を行っているから)
まっず!
烏龍茶でえぐみの話をしましたが、それが10倍に!
徹頭徹尾酸味がえぐみとなって口中で暴れ回るので、急いで飲み下す。
しかし安心は出来ません。
歯茎に残留した彼らに僅かでも舌が当たれば、レジスタンスを再結成して戦闘を始めます。
コーヒー嫌いをコーヒー撲滅委員会に進化させるレベルのえぐみ。
えぐみ=動物が本能で毒と感じるものですが、私は今正に毒を作ってしまいました。
黄桜さんに知られたら「うちの商品に何してくれんだ」とどつかれると思います。
ごめんなさい、黄桜さん。
あとお酒になってくれたお米さん。
(※凄く迷いましたが、捨てずに飲み干しました。ウオェエ)
⑫ワイン
キリン傘下で国内最大手ワインメーカーであるメルシャンからピックアップ。
ボトルラベルに書いてある通り、渋みが少なく軽やかに飲める逸品です。
今回購入したのが180mlと相当ミニサイズなことも手伝って、食事のお供に飲めます。
ただ、そこは度数11なだけあって「ガッ」もありますし、渋みより酸味が強いので、それを爽やかと捉えるか酸っぱくて舌に残ると感じるかは好みですね。
……待って。
酸味が強いってことは……(覚悟)
あれ? 意外と良いです。
コーヒーで薄まったために「ガッ」が無くなり、苦味とフルーティーさが見事に同居。
若干の酸味に一瞬身構えますが、その後は清らかな渓流の如くさらりと流れ過ぎ去っていく。
……覚悟した割には悪くないですね。
余っているワインを早く消費したいけどそのまま飲むのは飽きているという場合は、これを試してみると良いと思います。
どちらの配分を多くするかで、苦味を更に強めたり葡萄の味わいにアクセントを付ける程度だったり、いろいろ好みに対応できそうです。
⑬ビール
これを買いに行くまで発泡酒・ビール・第三のビールの違いを全く分かってなかったことをここに告白します。
ビール売り場って書いてあんのに何で混ざって置かれてるのよ、おかしいでしょスーパーマーケットさん。
その場でググって、この記事を読みました。
実際の缶と見比べなきゃわかんねえですよ、もう。
で、載ってた中で見た目キンキンでゴー☆ジャスな缶をチョイスしたのですが、何かこれ評判が良いビールらしいですね(無知)。
私個人はビールが苦手で麦の味とかよく分かりませんし、この作品もやたら苦いというか舌をギイと絞ってくるようで美味しさを理解できる領域に達してないんですが、大丈夫なんでしょうか。
えーっと……反応に困る味ですね。
懸念していたビールの苦味はコーヒーの苦さに見事に押し潰され、泡も立ちません。
「え、ビール入ってんの?」って感じ。
酸味がやや気になりますが、酸味の強いコーヒーなら幾らでもあります(キリマンジャロ、ブルーマウンテン)。
そういう種類のコーヒーですと言われたらバリスタや愛好家でない限り信じるでしょう(逆にバリスタ・愛好家なら、何か混ぜやがったなとイラつきそう)。
あと驚いたのが、緑茶とほぼ同じ形のグラフをしているという点。
つまりやる意味を感じないということ。
キリンさんの折角の自信作です、普通に単体で飲みましょうってことですね。
⑭焼酎甲類
ええ、『最強水れもん決定戦』の余りです。
香りは花のようで、味わいも甘味を感じられますが、単体では「ガッ」が凄い。
酒の旨味というのはよく分かりませんが、少なくとも後味は良いです。
見た目通りに何処までもクリアな味わいは、果実酒や焼酎ベースのカクテルにおいて、他の素材の味を邪魔しない控えめな相棒となってくれます。
そんなクセの無い焼酎甲類、果たしてコーヒーとのブレンドでもベストマッチとなってくれるでしょうか。
酒感がきっちりと出ました!
これは良い組み合わせなのでは?
緑茶割があるなら、コーヒー割もお店のメニューに加えて良いと思います。
ただ、あくまで焼酎甲類は酒風味を加えてくれるだけに留まり、コーヒーが全面的に出てくるので、コーヒーの味に完成度が左右されます。
酒感によってコーヒー味が強められたように感じるので、気持ち薄めに淹れたものと合わせるのが肝です。
え? コーヒーハイはどうかって?
……炭酸の阿鼻叫喚ぶりを体験したいなら是非。
⑮焼酎乙類
国立大学法人・東京農工大学が育てた麦を使って藤居酒造さんが作った焼酎です。
アルコール度数、驚異の43度。
一般的なウォッカ(40度)より強いんですよ、原酒だからですかね……。
甲類より圧倒的に独特の匂いと味が強く、恐らくこれが原料である麦の味わいなのでしょう。
当然「ガッ」の強さも甲類の倍近くあるので、4:1ならぬ8:1にして作ってみました。
……こんだけ薄めてなお漂うこの匂いは何なの……(第六感)
ああ良かった。コーヒーと上手くマッチしてくれました。
よく言われる焼酎乙類のクサさ=独特の匂いの強さが薄められ、コーヒーアロマと絶妙に合体。
味もコーヒーにそのクセを僅かに追加した程度になり、和製アイリッシュコーヒーとも言うべきテイストが成立しています。
酒を濃くしたり芋焼酎・米焼酎にしたりすれば、また味わいが変わるので合うかどうかはやってみないと分かりませんが、決して悪くはないと思います。
――ここでお酒が終わるので言いますが、アイリッシュコーヒー(コーヒー+ウイスキー)のことを言及したことからも分かるように前例があるからイケるという確信があったんですよ。
寧ろ出来レースだろ? みたいな。
そういう自信と安心感に充ち満ちた状態でお酒五種を合わせたんですよ。
時間があるならもう一回読み返して頂けませんか。
日本酒でどんなにショックを受けたかがちょっとだけ分かると思います。
⑯オレンジジュース
果汁100%に拘り探したところ、トロピカーナ様に後光が差していました。
アメリカでも大々的に生産されているオレンジを使った100%ジュースは、正に朝食で飲みたくなるような自然な甘味とあっさりした飲み口が特徴です。
何となくジュースというとオレンジが代表格に感じられたので買いましたが、よくよく考えると柑橘の酸味がぶつからないかと不安ですね……。
ミルク入れてないはずなのに白濁して見た目だけカフェラテなのが更に恐怖を煽ります。
コーヒーが負けました。
ただの「若干苦味が追加された大人のオレンジジュース」になってます。
美味しいか不味いかで言えば美味しいです。
だってオレンジジュースそのものだから。
これ以上の感想が持てません。
強いて言えば先程も書いた通り、見た目が白濁してて気味が悪いってことくらい。
その見た目で、飲んだらただのオレンジジュースって、何なんだこいつは。
奇抜な見た目から個性を感じて話を振ったら全然面白くなかった雛壇芸人の様相を呈するドリンクです。
いっそぶっちぎりで不味ければまだネタになったのにな……。
逆に言えばトロピカーナ殿の味が調っていて美味である証左なのでしょうけど、じゃあコーヒーに入れなくて良いじゃん。
単体で飲もう。うん。
⑰トマトジュース
食塩不使用、徹底して「ジュース」であることを条件にヘッドハンティングしたのが、戦前から続くこちらの美味。
『原材料名:トマト』という記載通り、保存料も着色料も皆無!
ホールトマト缶を丸呑みしているような濃厚なトマトの味わいは、公式サイトで本作品のスープを発表している程に旨味が強いです。
しかしコーヒーと合わせた見た目が尋常じゃなくドロリとした赤色なんですよね……。
具の無いミネストローネみたいな感じですが、果たして。
▲子どもをトマト嫌いに育てたい貴方に贈ります
もうこれ最低点ですよきっと。これ以上のものが存在するのかな?
中途半端に互いが互いを潰し、後味・苦味・酸味全部ダメ。
コーヒーにトマトジュースを入れて飲んでいるとしか言い様の無いそのままの味ですが、どうしてこんなに不味いのか。
トマトの青臭さとコーヒーのえぐみが、ただ混ぜただけなのに突出しています。
砂糖を追加すると若干マシになる……というか、砂糖を入れてしまうとコーヒーの苦味が抑えられてしまい、ただのトマトジュース(しかも低質で不味い部類の奴)と化す。
つまりこの組み合わせ、全くもって無意味。
鼻から抜ける苦み走った草の臭いも最悪。
⑱乳酸菌飲料
世に乳酸菌飲料は数あれど、一番馴染み深いのは間違いなくヤクルトさんでしょう。
(※カルピスは割る必要があり、ピルクルは私自身飲んだことが無いため)
量が量なので三本混ぜています。またカフェラテだよ見た目が。
飲み終わった後、爽やかかと思いきや少し口の中がベタつくあの感覚、しがみつく系の喉がギュッと締まるような酸っぱさが特徴ですが、如何でしょうか。
コーヒーにミルクを入れるんだし……牛乳から出来ている乳酸菌飲料もマッチしてしかるべきですよね。
う~ん、顔が引きつる程不味いわけではないのですが、無しですね。
子どもが初めてコーヒーに挑戦するために作ったと言われたら信じますが、だったらこの酸味を抑えた方が良いと思います。
コーヒーの酸味とヤクルトさんの酸味とではベクトルが違うんです。
ヤクルト酸味が来て口ベタベタ+喉ギュッ→コーヒーの僅かな酸味で舌がギュッ→苦味と甘味が遅れてやって来るけど口の中が既に荒れているので大して良くは感じないという有様。
普通に砂糖とミルクたっぷり入れて作ってあげた方が、子どもは喜ぶと思います。
⑲青汁
「まずい! もう一杯!」のCM(1990年)のことは、ワタクシ(1994年生まれ)、全く存じ上げません。
しかしそこから三十年、青汁の味は進化し、様々なメーカーが健康ブームにあやかり青汁を販売するように。
この作品はその一つ。緑茶配合の無糖青汁。
砂糖や果物を使っても良いけれど、毎日飲み続けようと思ったら糖分の取り過ぎが気になってしまいます。
だからこその無糖、故の青臭さ対策に緑茶。
人生初青汁ですが、濃いめに入れた抹茶のような味わいでするるんと飲めます。
……緑茶? あっ、ふーん……(察し)
コーヒーと緑茶は相容れない運命なんですか?
察した通り、全くやる意味が無い。
普通に伊藤園さんの無糖青汁です。コーヒー? 知らんな。
若干苦くなったか? という程度。
あとね、こいつのルックスを見てあげてください。
▲絶望的な汚さ
どぶ川かアオコですか?
口に入れるものの色じゃないですよコレ……。
商品自体は綺麗な緑に拘った製法で作られているために、見た目にも青臭さを感じない清々しい自然色だというのに……コーヒーのせめてもの抵抗だというのか……。
あらゆる意味で伊藤園さんに申し訳なくなりました。
⑳ノニジュース
2000年代前半に流行り、一瞬で消えていったノニ。
そしてノニブームにより準絶滅危惧状態になった、沖縄の自生ノニ。
懐かしいですねえぇ(盛大な皮肉)。
ウチにもあって、子どもながらに「これだけでパーフェクト健康ボディになるわけないじゃん」とめちゃめちゃ冷めた目で見ていた記憶があります。
……とはいえ、本当に一ミリも健康に結びつく要素が無ければ、今もノニが売られるはずがありません。
実際はカリウム豊富でナトリウムを尿から出させ、間接的にではありますが血圧を下げてくれたり、筋肉の機能の調節やらなんやらやったりと、確かに必須の栄養ではあります。
問題は、普段の食事で充分な量が取れることですよ。
ノニを飲んで無理矢理摂取する必要が無く、飲み過ぎると肝障害に発展したり、腎臓が悪い方なら高カリウム血症になりそのままお亡くなりになれるとか……。
えー、何でこんなに話が長いか分かりますかね。
蓋を開けた瞬間にね、完熟の葡萄を思わせる甘く濃厚なフルーティースメルが広がったんですよ。
「あれ? イケるじゃん」と安心してたら……ごめんなさい、すごーく下品かつ失礼な言い方しますよ。
食事中の方は今すぐ記事を閉じてください。
ノニ及びノニ生産者、そして販売会社の皆様には大変不名誉というか、どう見ても中傷にしか見えない表現をするので先に謝罪しておきます。
エム・ディー・エムさん、クック諸島と沖縄にいらっしゃるノニ生産者の方、そして生まれてきてくれたノニ殿、大変申し訳ありません。
感じたままを書かせて頂きますが、あなた方を貶す意図は全く込めていません、本当です。
めっちゃスペース空けておきますんで、覚悟の出来ている人はスクロールを。
ゲロだ!
散々酒やツマミをかっくらった後、デザートで葡萄を食べまくったんだなと分かるような吐瀉物の臭いです。
飲み過ぎて気持ち悪くなった時に、胃から這い上がってくる臭いと同じ。
これを原液で飲む人は、普段から吐瀉物の処理をしていて鼻が慣れているんじゃないでしょうか。
案の定ラベルに書かれた『お召し上がり方』には、「ジュースやハチミツ等を加えると飲みやすくなる」とあります。
飲みやすくなるっつーかそうでもしないと飲めないってことですよね?
「1日、20~30ccを目安に2~3回に分けてお飲みください」だそうなので、一回分・10ccだけ使って作ります。
(※1カップ200ccなので、下手に1:1にすると先述の通り肝障害を起こす可能性がある)
▲割とあるじゃん10cc……
あ、でも、コーヒーを注ぐと臭いは殆どしなくなりました。
砂糖も入れているから、ただの苦めのコーヒーで終わってくれるかな。
嘘おおお!?
満点キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
下げてから上げるという分かり易い展開になってくれました!
コーヒーで20倍希釈されたことと砂糖で甘味を添えたことにより非常に飲みやすく、これが旅行先で出たら「こういう味もあるのか」と受け入れるレベル。
しかしノニが消えたわけではなく、その個性的な香りがきちんと舞っている。
ノニの割り方にコーヒーという選択肢が追加された瞬間です。
ノニのフルーティーさだけを純粋に楽しめます。これはオススメ!
ただし、冷めるとこうなります(絶望)
臭いがぐわっと際立ち(目盛が10になってる)、一気に地獄へチェンジするので、熱いうちにとっとと飲んでください。
まだ我慢できますけどね、日本酒やコーラに比べれば。
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【結論】
コーヒーに炭酸、ダメ。ゼッタイ。
コーヒーにトマジュー・日本酒、No,absolutely NO.
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【おまけ:総括短歌】
飲み物で あればわりかし 合うという 楽観を潰す 結論三種(↑)
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【Staff】
企画・構成 清水舞鈴
撮影 清水舞鈴
編集 清水舞鈴
制作 清水舞鈴
監督 清水舞鈴
【Special Thanks】
(以上企業は商品紹介順の掲載)
行きでお世話になったCA殿(女性)
帰りでお世話になったCA殿(男性)
スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方
副題は、『不味い顔を載せる』。
八月号で生卵を食べた際、「不味い」と感じている顔は載せていませんでした。
あれを逆にして、今回は本当に不味かった時しか自分の写真を撮っていません。
口しか写っていなくても不味さって伝わるでしょうか……エラい苦しかったです……。
苦悶フェイスが出ている奴はホントに試さない方がいいですよ?
『哭きの竜』ポーズになりますよマジで……。
それと飲み比べですが、七日間も使っており順番も番号順ではありません(写真の服装とコップが前後しているのはそのため)。
一日でやれると思ってたのですが、コーヒーの大量摂取+水分の短時間過剰摂取により吐き気がね……。
記事のために体調崩すのはアホなので、これからも自分を大事にしていこうと思います。
ノニはこれから1日10ccずつ、残り49日=一ヶ月半強付き合っていきます。
The END.
【追記】
実はこの記事、9月23日に完成して10月末日の予約投稿としたのですが、その予約投稿日が来る前に衝撃的なことが起こりました。
▲マジかよ
デイリーポータルZで、本記事の一部に特化したような記事が10月3日に登場。
その名も「コーヒーを炭酸で割って飲んでます」!
内容は実際に読んで頂きましょう。作者はネットのレジェンド・林雄司氏。
嘘でしょ……と思いましたが、そもそも飲み物を組み合わせるという行為は、一説には古代ローマにまで遡ります。
その頃から人類は「美味しいのと美味しいのを掛け合わせたらもっと美味しくなるんじゃね?」という、より良いものを求める貪欲な精神を抱えているのです。
要するに飲み物系は被るに決まってんだろ! ってことですね。
普遍的なものを殊更にやってしまったことを反省しつつ、本記事を締めたいと思います。
今度こそThe END.