▲「カメラトカヤメテクダサイヨ、ナンナンデスカー」
顔への丸いモザイク処理を、見たことがある方も多いと思います。
アレを作りました。
●アマゾンのロングテールビジネスの凄さよ
面白グッズを検索すると、良い意味でどうかしているアイテムが目白押し。
▲その内の一つがこれ
よくある目線入れの三次元版というわけですね。
地味にワンコイン超えてるお値段です。
▲買った(マスクしてみたら怪しさが増した)
二時間程かけ続けてみましたが、なかなかどうしてかけ心地は良いですね。
鼻は赤くならないし、耳も痛くなりづらい。
「幾らオモチャでも妥協しない!」ってことなんでしょうか?
ジョークグッズとしてだけでなく、動画投稿者やライターさんにもニーズがありそうです。
▲動画におけるミスターARuFaのは恐らく手作り
(顔の曲線にフィットしているので、黒い紙かプラバン?)
さて、目線入れは売っていることが分かりましたが、顔全体がモザイクされるものはというと、
▲売ってなかった
じゃあ作るしか無いですよね。
というわけで今回は、『いっそ商品化して欲しい』。
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●作った
▲こんにちは、清水舞鈴です(高声)
▲いやー顔は勘弁して下さい(高声)
これは凄い!
顔に全く加工は入れていません。
下地で何かを被っているわけでもありません。
それがここまでブロックできます!?
▲現場近くの住人
▲警察密着番組の犯罪者
これ、イイものを作ってしまったかも知れません。
(呼吸穴まで塞いでしまったので、つけると息ができなくなるのは秘密です)
●作り方
▲材料の皆様
▲透明仮面の内側に
▲窓ガラスの目隠しシートを貼る……
▲曲面ムズいってか不可能だなコレ
▲一ドットずつ切り抜くか
▲こんな感じで一晩ずっとやってた
すんごく肩がこりますよ、これ……。
▲でも楽しいのも事実
こういうプチプチした作業は、暗記する程見たゲームプレイ動画をBGMに流しながらやると捗りますね。
▲やっと貼れた~
▲試着……よし、透けない!
▲完成(某呪い面(リンク先閲覧要注意)っぽくて恐縮だが)
遠目に見ると予想以上に白くなりましたが、モザイクの不規則なドット感は出せているんですよ、これでも。
▲ズームするとこんな感じ
では出かけましょう。
どういうシチュエーションで撮っても、匿名感溢れる事件現場になるはずです。
●背景によりけり
で、いろいろ撮ってみたんですけど……、取り敢えず解説一切無しでご覧下さい。
私だけでしょうか。
こう言っているようにしか見えないのです。
まるで、災害のインタビューを受けているかのようで――。
奇しくも、三月ですね。
貴方は、あの日――3月11日、どこにいましたか。
金曜日。ド平日。当時高校一年生の私は家に居ました。
高二と高三は卒業式のリハーサル中で、「無関係な高一はおうちで寝てなさい」と言われていたのです。
年子の兄も似たような状況、二人して家に居て、面倒臭い雨戸閉めを早々と終わらせた薄暗い中で、ぼんやりゲームなどしてました。
突然
バンッ
地下室を横合いからぶん殴るような、強烈な音。
「ジャイアント馬場の張り手ってこういう感じかな」と思いました。
直後。
14時46分。
私は揺られながらも玄関の扉に突進し、開け放したまま押さえつけました。
地震で怖いのは、火災と、揺れで歪んだ扉が開かなくなること。
逃げ道だけは意地でも確保しようと、足を突っ張りつつ揺れが収まるのを待ちました。
「どれだけ激しくても十数秒で終わる」と教育を受け続けていたからこそ怖さが無く、その後のために行動しなければならないと咄嗟に考えたのかもしれません。
自転車に乗った親子連れが目の前の道路で止まりました。
「何!? ねえ、離れないでよ!? みーちゃん」
背中に赤子を背負った母親が、補助輪付きの自転車に乗る幼子に声を掛けていました。
『降りろ!!』
親子を見つめて、しかし声は出ませんでした。
『降りて塀から離れろ!! 電線の真下を通るな、馬鹿かお前は!!』
何せ古くからの住宅地です。
なかなかの高密度で電線はあるわ、土塀も建築基準法改正前の高いものだらけだわ、親子がチャリで揺れの中通るのは、無謀を通り越して自殺志願にしか見えません。
「えー揺れてる、何? 何、何」
『お前何年生きとんのだあああ子どもと自分の頭守れボケえええ』
私の思いも知らずに、親子は路上で立ち尽くしていました。
尤も今にして思えば、こんな揺れの中では降りることも難しかったはずです。
運が良かったか、電線も切れず、塀も崩れず、揺れは消え失せていきました。
きょとんとした顔で辺りを見回す子ども。
「……行こう行こう」
ゆっくり走り出す自転車。
『降りて押せやあああ地震大国日本に何年住んでんじゃお前えええ』
取り敢えず扉は開け放しておいて部屋に戻ると、兄がテレビを付けて速報をチェックしてくれていました。
そこで今回の地震が、かの悪名高き関東大震災を超える震度7であることを知ったのでした――。
▲……
▲まさかこんなシリアスな気分になるとはな
別にやらなくてもいい、アホな工作をして、読者の方々に「モザイク仮面作ってるよこの人(笑)」と呆れて欲しかったんですが……。
さあ、皆様ご一緒に。
▲黙祷
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【結論】
まだ八年。
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以上、「目線入れ眼鏡がアリならモザイク仮面もアリだ」でした。
復興庁が名前と体制を変えて継続されます。
どこぞの誰かがふざけたこと言ってましたが、復興は終わってなどいません。
元の住居に移りたい仮住まい者が、故郷に戻りたい県外退去者が、漁師が、農家の方が、街が、「震災が起こったんだったね、そう言えば」と言えるほどの元の姿に戻らなければ、何も終わらない。
ちなみに、阪神・淡路大震災は、上記で言うところの「元の姿」に戻るまで10年かかったとされ、それ以降も財政状況の悪い状態が続いています。
熊本地震は、現在進行形で道路の亀裂や線路の寸断などが修繕を急がれている状態。
状況や自治体など多くの点が異なりますが、大震災を受けた世界が、ものの五年で復活するわけが無い。
その上で、貴方に問います。
私達は今、何が出来ますか?
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【おまけ:総括短歌】
陰ながら この日本に住む 者として 顔を隠して 援助いたします
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【Staff】
企画・構成 清水舞鈴
撮影 清水舞鈴
編集 清水舞鈴
制作 清水舞鈴
監督 清水舞鈴
【Special Thanks】
株式会社花昭(↑の運営会社)
ARuFa氏
多摩川河川敷
やたら興味津々に近づいてきた親子さん達
今まで援助をしていた貴方
今まで忘れずにいてくれた貴方
スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方
今回の副題は、ここまで読んだ貴方ならもう予想が付いていると思います。
『【自分語り】3.11の体験』です。
南海トラフの予測も出ています。
まずご自分の備えをし、その後ゆとりがあるのなら――援助をしても良いのではと、私は考えています。
The END.