▲これ作るのに三十分。
深夜三時にうたた寝しながら作った割に早い
朽ちた木が、あわや崩れそうな状況。
暗く、今にも苔が生えそうな止水域。
そんな現状を、今回打破してくれるのは――
工作の匠
清 水 舞 鈴
そこそこのアイデアとゆるい気力で、困難を打破してきた、人間界屈指の阿呆。
人呼んで、『将来大物になると家族知人から言われる人』。
この惨状を、果たしてどう変えていくのか。
匠の挑戦が、今、始まります。
●早速力尽きた
冒頭の文章が『大改造!!劇的ビフォーアフター』のものだと何人が気づいたでしょうか。
そのままのテンションで書こうと、わざわざ録画しておいた番組を何度も見返した程でしたが、結論から述べると疲れました。
第一章、第二章……という構成。匠のこだわりを番組内でクイズにしたり、ご家族のコメントを随所に挟んだり。
それがヒジョーに手間でした……。
勿論出来上がればパロディとして最高だったんでしょうけど、そもそも番組に許可取ってないですしね。
何か言われた時が怖いので、普段の文章に戻して進めていきますよ。
●現状:地味
これまでは流木を死ぬ程ぶち込んで、「好きに登って好きに囓れ」という放任主義の自然派アスレチックにしていたのですが、いや見てくださいよこれ。
▲これ(部屋を暗くして光の美しさを表現)
▲俯瞰でもどうぞ
確かに『【無知者】アクアリウム』で「緑の海苔来いや」だの「もはや生体がいなくてもいい」だの書いたスタイルですけど……ですけども!
緑の海苔が発生しなかった上、いるべき生体たるネオンテトラが逝去なさった今、侘びしいこと侘びしいこと。
『世界樹の迷宮』ばりの素敵モンスターもおらず、ただただ薄茶色のエビファミリーが走り回ってるだけ。
要するに、薄茶色on茶色on暗色という、実に色彩に乏しい見た目なのですよ!
だったら形だけでも可愛い感じにしようかってわけです。
で、ほら、『ミニチュアハウスって可愛いじゃん?』って話(唐突)。
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●清水建設(某建設会社とは関係ありません)
▲というわけで設計図がこちら。
材木は煮込みまくった割り箸です。
お金が有り余りすぎている方はスティック流木を50本くらい買えば、良い雰囲気のものができるかと。
もっとお金と時間を持て余している方は、木を切り倒して木材を削り出すところから始めると、薫り高い作品が出来上がります。
遂にこの後、匠の意趣が散りばめられた全貌が明らかに!
(懲りずにテンションを再注入)
ここで脳内に『あの曲』を流しましょう。
て〜→れ〜↑れ〜↓れ〜↑れ〜↓れ〜↑れ〜↓れ〜↑れ〜→
▲Before
あえて暗く朽ちさせた雰囲気が家族に合わないと感じていた、流木のレイアウトが、
▲After
ご覧の通り、シンプルながらも明るく風通しの良い棚家に生まれ変わりました。
▲Before
不安定で足元が覚束ない頂点も、
▲After(浮いてしまうので、馴染むまで岩を置いている)
頑丈に組まれた屋根に変身。
遊び甲斐のあるトンネル、登りやすい梯子も置かれ、見事憩いの場となりました。
▲それではご家族にお披露目しましょう
ご家族の団らん、その満足気な表情を眺めてから、匠は次なる現場へと向かったのでした。
●で、総製作時間は
……番組風に爽やかに終えても良かったんですけど、こんな見た目の割に製作が思いの外面倒臭かったから、ダイジェストで皆さんに伝えたいのです。
▲ノー接着剤のマッチ棒ハウスを参考に
▲設計図作るだけで半月
▲それを現実に興すのに半年
▲これだけあれば充分だと思っていたのに
▲予想外に失敗してこれっぽっちになってしまった
▲更に、生体に影響のない接着剤はコレしか無いのだが
▲4g二本入りでこんなに。
健康を金で買ったと思えば安く、
ギリ間に合ったけどね
▲……やっと出来上がった……(頭髪総白髪)
▲設計図と全然違う理由?
▲止水域(流れが滞り、カビ・苔・腐臭が発生する)を
考えていなかったからだ
▲こういうのに近づければと考えていたんだけど(写真引用)
▲この辺が全部止水域になっちゃうんだよね
▲それから取り組んだ記事製作、
これはたったの三日で終わった
▲その内の三十分がこれ(二回目)
総製作時間:6ヶ月20日と5時間42分
時間換算:4805.7時間
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【結論】
案ずるより産むが易し。
考えるのに時間使いすぎ。
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ちなみに、予想外に失敗した理由はこれです。
①家の中に止水域が発生し水カビ大発生
→カビを食って亡くなるエビも……何故食うよ。
②屋根裏部屋の三角形の隅にエビが挟まって死亡
→家具にも挟まり、四角い部屋しか作れなくなる。何コレ、棚?
③寧ろ庭具を懲りすぎた
→割り箸の限度。結果がトンネルと鉄棒。
水の流れ方を頭に入れておいたり流体力学を学んだりする必要はありませんが、「モノがあると滞る」ということだけはワタクシの失敗から知って頂ければと思います。
あと、エビの皆様は意外と変な隙間に入りたがり、そして出られず死にます。
なお、シルバニアファミリーの家をセルロースボンド(防水コーティング剤)でコーティングするという荒技も思いついていたんですが、塗装やプラの色が溶けまくってズタズタグズグズのゾンビハウスになる気がしたのでやめました。
折角のプリティなハウスは陸上で楽しみましょう。
以上、『水中ハウスを作りたかった』でした……。
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【おまけ:総括短歌】
器用とは 想像を形に できること 何故こうなった ミニチュアが棚に
【更なるおまけ】
▲レアカラーのエビがいた。
いつの間に生まれてたの!?
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【Staff】
企画・構成 清水舞鈴
設計 清水舞鈴
編集 清水舞鈴
制作 清水舞鈴
監督 清水舞鈴
【Special Thanks】
『How to Make a Match House Town without Glue and Burn it』
EverXFun(上記動画製作チャンネル)
ISTA(水中用接着剤の製作会社)
アズージャパン株式会社(水中用接着剤の輸入販売会社)
スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方
さて、今回は『本当に安さと質は兼ねられるか』が副題でした。
覚えておいででしょうか。
私は『【無知者】アクアリウム』の副題で、『安さと質は兼ねられるか』と書きました。
あの記事は五月三十日の更新でした。
既に半年が経過しています。
▲五月三十日
▲今回(※初代エアは落雷で死にました)
……この布陣、オススメです。
The END.