清水の舞台から縄ばしごで降りる

次回は5月末に更新です。痴漢への対処は、こうッ!

【勝手リベンジ】カメラマンベスト

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▲第一戦は貴様だ!

デイリーポータルZの読者の方なら、きっとご存じでしょう。

カメラマンベストをかっこよく着たい』という、女の挑戦。

そしてその結末を。

 

カメラマンベスト、貴様はこの私が征服(Conquest)してやる。

 

新ジャンル、参戦。

勝 手 リ ベ ン ジ

そこ、二番煎じとか言わない。

 


 

●ハイライト

これですよね。

私がデイリーポータルZで初めて読んだ記事です。

そして七年以上も、「あれはもう少しで攻略できそうだ」と思っていました。

 

そもそも、便利とお洒落は同居しない。

それは普段ファッションに興味のある方ならお分かりでしょう。

 

寒いから重ね着すれば、着ぶくれしたりデザインが決まってきてしまったりする。

かといって着たいファッションは、明らかに寒々しい。

逆も然り、暑いからと露出多めにすると一昔前のギャルっぽくなる。

「オシャレだけど暖かい涼しい」という商品も無くは無いが、求めてる程には暖かくない・涼しくないというものもチラホラ。

 

そんな中で、便利さにステータスを極振りしたアイテム・カメラマンベストをオシャレの土俵に連れ込もうとした。

その勇気に乾杯ですが、結果としては「モデルのせい」と卑下することに……。

 

――ここで解説の花巻さんに伺いましょう。今日は宜しくお願いします。

 

はいどうも、花巻と申します。

清水舞鈴の友人で服飾専門学校卒業のスタイリストです。

この記事の解説をしろということで無理矢理休み時間に押し入られました。

宜しくお願いします。

 

――早速ですが、何故「格好良くない」とご本人が思う結果になったのでしょうか。

 

おおまかに言えば、原因は二つです。

①ベストの色

②あのコーデ

 

まず①ですが、ベスト自体がインパクト抜群なので、これを取り入れようという姿勢が既に攻めてます。

ですから黒を選んだとしても、逃げてるとは誰も思わないでしょう。

安心して黒を選んで欲しかったですね。

灰色は「ぼやける色」なので、寧ろ一番危険なカラーを選んでしまったといえます。

 

――灰色はファッション雑誌で「可愛い」と特集されていますが?

 

あれはモデルの見せ方と差し色ありきで可愛いのであって、一般素人が真似するとまず失敗します。

実際、記事に出てくる皆さんは、体の何処にも差し色がありません。

制服だと思える程にスタッフ感割り増しになってますね。

エナメルピンクのハイヒールとか、ギラギラスタッズのベルトとか付けて欲しかった。

 

――最後のページのファッションは、ストールが差し色になっていますね。

 

多色使いなので、一気に賑やかになって素敵ですね。

しかし個人的には「区切り」があるべきだったのでは、と思うんです。

 

――区切り?

 

メリハリ、と言うべきでしょうか。

渋谷パルコの店員さんの考案したこのファッション、原因②ですが、実は難易度がそこそこ高いんです。

 

縦のラインがスーッと繋がっていますが、「ぼやけ色」の灰色とシャツ出しの影響で、全体に横幅が太く見える。

これは、背が高く細身な人向きのファッションです。

しかし、そんな理想型に近い方は少ないから、見るとお洒落だけど着てみるとそうでもなかったというのは当然のことなのです。

 

逆に言えば、その理想形なら格段におしゃれなわけで、記事でも「9頭身のモデルだったらもっとカッコいいはず」と言及し、縦伸ばし加工した切り抜きが載ってますね。

店員さんのセンスは間違いないものだと思います。

 

何にせよ、下まで同じ幅でズドンと行ってしまってるので、シャツINする・ズボンをスキニータイプにする・ベルトを締めるなどすれば、ファッションにリズムが出ますよ。

 

――では、色の方向性としては間違ってはいない?

 

灰色を、白・黒と合わせるのはグラデーションとして間違ってはいないんですよ。

 

ですがそれだけだとアイテムの個性が前面に出てしまい、「カメラマンベストを着ているな」とまず思われてしまう。

結果、「ベストという仕事着を着ている=オシャレは二の次」という思考回路が働き、オシャレという発想から遠のいてしまうのですね。

 

よって店員さんの「ストールでベストを隠す」という戦法は、そのまま使いましょう。

流石プロですから、これは非常に効果的です。

それから差し色、締めるべきところはきちんと締めることを考えます。

……ふーむ、いろいろ思いつくなあ。

 

――あ、すいません、花巻さん。

 

はい、何でしょう。

 

――ベストに関してのみ、条件があります。

 

聞きましょう。

……え? これですか?

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▲ベスト条件表

いやいやいや、①と②及びは良いとして、④は待て。

デザインと材質、サイズ感を求めたら、④は叶いませんよ?

 

――花巻さん、貴方は勘違いしている。

 

へ?

 

――私は「ファッションにカメラマンベストを取り入れる」のをやろうとしているのではない。カメラマンベストをかっこよく着たい』んですよ。

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▲こういうこと

――高いものほどデザインと質が良いのは自明の理。だがそれでは本家のリベンジにならんのですよ。「値段がなあ」って書いてあるし、本家はそもそも7000ってちょっと高めだしさ。

 

……俺、とんでもないことにつきあわされてんのかもしんねぇ……。

 

●敵、届く

――前述の条件に見合うベストを購入しました。翌日に届くとは驚きだ……Amazonの人達はちゃんと寝られてんのかしら。

 

やっぱりAmazonかよ。5000円未満なんて実店舗にほぼ無いからおかしいと思った。

割引使ったんだろ。

 

――まあね。「今なら〇〇%OFF」のタイミングが四月だった。

 

あー……そういう?

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▲届いた敵

――色は黒、Mサイズ、ポケット総数16、お値段3398円!

 

尋常じゃないな、その安さでポケットそんなにあるって。

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▲普通に着てみた

――ありゃ、もうちょい小さいイメージだったんだが。横がダボダボ。

 

お前が細いの!

無意識のスレンダー自慢やめろ、敵作るぞ。

 

●デザイン草案

――というわけで描いてもらったデザイン画を元に、組み合わせたのがこれです。

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▲A:クールなモノトーンレディ

まずは無彩色で固めてみました。今回着用する清水が166の50弱なので、細身を活かしたファッションです。

差し色は紫。

ストールとサングラスに使っています。

 

あ、言い忘れていましたが、ファッションは全て清水が持っているものしか使いません。

新たに買い足すことを匂わせたら拒否されたので。

 

――お前ね、私がファッションに命かけてる人に見えるかって話よ。

 

だろうね、仏像被ってるし。

顔どーすんの? グラサンで出るの?

 

――まだ決めてないんだよねえ……どうしよう。

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▲B:ふんわり山ガール

エラい多色使いのモコモコスカートがあるというので、使ってみますよ。

つーか何コレ?

職場に着てってんでしょ?

 

――残念だったな、スカートじゃない。

 

マジで? ……ああ、ホントだー!

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▲スカートじゃないから寒くないぞ!

で、コレ暑くね?

 

――なぜ四月にこれピックしたし。

 

なぜ四月にこの企画やってるし。

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▲C:リベンジ・ザ・マスターピース

本家が来ていたファッション(白シャツ・ストール・ワイドパンツ)を踏襲しつつ、清水の体型に合うようにポイントを修正したものです。

清水が意地でもやると言ってぶっ込んできました。

 

――そら違うアイテム使ったらオシャレになるだろうさ。元祖をクリアしてこそリベンジってやつやで、おやっさん

 

急なエセ関西弁やめろ、コナンがやって賛否両論だっただろ。

 

それは置いといて、日本人女性20代の平均身長は2018年の最新発表で159.5cm、平均体重は53.5kg程度だそうです。

清水は先述の通り166の50弱なので高身長兼スレンダーですね。

これはかなり期待できますよ。

 

……50弱っつうか48と49を行き来してるよな。

お前ちゃんと食ってる?

 

――朝はチビいパン二個、昼は弁当、夜が一番しっかり食べてるなあ。職場が通勤一時間以上かかる遠方だとうわーキツイっす。

 

全然笑い事じゃないんだが……だから胸も控えm

 

――その軟骨ピアス千切られたいか?

 

あ、すみません。

 

●撮影開始

――見てくれ〜、遂に買っちゃったんだこれ〜。

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▲これ以降、撮影はこの子でやる!

ほー、何これ、高かったの?

 

――いやーPowerShot G7 X MarkⅡって言うんだけど10万円しないのに高画質・ナイスな手ぶれ補正がついててしかも過剰な機能は無いから初心者にぴったりなのよこれやっぱあれよね初心者こそ初期投資が大事っていうか五万くらい出さないと駄目よね私思うn

 

あ、そこまでで。

 

その何か凄いデジカメで撮影宜しく、モデルさん。

 

●A

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▲着用の結果

グラサンで出るわけね。

まあ、マスクつけたら完全に不審者だが。

 

――ポイントは「オシャr……ん?」となるところだわ。イイと思いかけて目を疑う感じ。そしてバレたら終了。

 

個人的にすげぇなと思うのは、お前の堂々とした態度だわ。

今これ一人で撮ってるんでしょ?

 

――そうだよ……何でニューヨークにいるのよ花巻……

 

そらファッションの勉強だよ。

いきなりテレビチャットつなぎやがって。

 

道行く人が、何やってんのとか聞いてこないの?

 

――聞かれたよ……。「演劇の小道具の写真を準備してるんです」って答えたら、役作り熱心ねー偉いわーって。

 

お前演劇部だったっけ?

 

――いや、小学四年からずっと文芸部。

 

平然とそういう嘘をつける辺り、流石言葉の魔術師……!

 

――一ミリも思ってないこと言うのやめろい。

 

●B

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▲着用の結果

いるいる、こういう奴。

しかしお前のイメージにそぐわないなあ。

 

――「山ガールはセミロング」と勝手に思ってる。だからショートの今撮るものじゃなかったなー。

 

セミロング且つ茶髪でな。

んでぱっつん前髪。

 

――そうそう。

 

でもこれもなかなか良いな。

自分で提案しておいてアレだけど、これで高尾山デートに来られたとしても、俺はイケる。

 

……で、耐えきれないから言っていい?

何その白い仮面。

 

――あ、これ? モザイク。

 

は?

 

――詳しくはこれをチェケラッ。

 

宣伝お疲れ。

呪われてんのかと思ったけど。

 

●C

――ラスボスだ。

 

お前ホントにやんのコレ?

期待できるとは言ったけど、マジで人選ぶぞ。

 

――いやイケる……! これを着ずして何がリベンジか!

 

意地張っても火傷するだけだぞ……。

 

――例えそこが業火であろうと、道あらば進むべし!! はいやー!!!

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▲着用の結果(丁度良く紅葉が飛んできた)

!?

 

嘘だろ……?

に、似合っている!?

馬鹿な!

 

細身だから……?

違う……!

 

背が高いから……?

 

いや……これは……。

 

――どうよ花巻ー!

 

自信だ!

他ならぬ「リベンジできているに決まっている」という、根拠が無いからこそ揺るがない確信が……こいつを昇華させている!

 

モデルのせいでそう見えないと、思う必要はないのだと。

着たいものを着て、歩くままに往く。

それがなりたい姿を作るのだと……!

 

――勝ったッ! 第一回勝手リベンジ、完!

 

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【結論】

似合う服を探すな。

服に自分を似合わせろ。

 

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【おまけ:総括短歌】

衣服とは 己を魅せて アゲるもの 自信なくとも 胸を張るべし

 

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ほー、こんな感じで書いとるのねー。

 

――左様。

 

たださ、一個いい?

この結論ってさ……悪口じゃね?

 

――何だい、事実やん? 好きなもん着て堂々としてりゃいいのよ、人目気にする前に。それで寄って来ない奴のことを何で気にする必要があるのかって話。

 

へえ、そういうことか。

俺がパッと見た限りじゃ、「何着ても似合わんデブは痩せて来い」って言ってるように思えるんだよね……。

 

――ダイエットするっていう努力ができるなら良いんでない? あるいは太ってても関係なく着て、自信満々に歩くとか。つーか花巻……お前今おデブぅな方々をディスったな……。

 

アメリカはレベルの違うデブ多いから。そのこと言ったのよ。

日本は隠せるデブ、アメリカは隠せないデブ。

日本デブはいくらでもファッショナブルになれると俺は思ってる。

 

――だそうですよ日本の皆さん。着たい服着てバンバン歩きましょう!

 

だからお前が言うと嫌味なんだってば!

 

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【Staff】

企画・構成 清水舞鈴

撮影    清水舞鈴

編集    清水舞鈴

制作    清水舞鈴

監督    清水舞鈴

 

【Special Thanks】

べつやくれい氏(『カメラマンベストをかっこよく着たい』制作者)

デイリーポータルZ

イッツ・コミュニケーションズ株式会社(デイリーポータルZ運営会社)

東急グループ(イッツ・コミュニケーションズ株式会社の所属系列)

 

イラストレイン(スライドに使用したイラストのダウンロード元)

 

郷土の森博物館

気さくなおば様

 

花巻ワタル氏

 

スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(時は撮影直前に戻る) 

――実はさー、いつも副題っていうの付けててさ。

 

副題? セカンドテーマってこと?

 

――そうそう。折角だから今回は花巻がつけてよ。それに即して今回の記事作るから。

 

ほー、どうしようかな。

……よし、じゃあ『顔出しの限界に挑む』で。

 

――ふぁい!?

 

すっごく遠くで顔出してて、近づいてくるとススキが丁度よくなびいて顔が隠れる、みたいな。

……あ、お前公務員だったっけ。

 

――そ、そうだよ(動揺) でも花巻に頼んだ以上、それで行くけどさ……

 

いや、お前社会的生命無くなるんじゃね? 無かったことにしていいぞ?

 

――ぬうううう……いや、グラサンで出るわ。それで良いことにしてくれ。

 

あいよー。ま、お前は不細工じゃないから出ても大丈夫でしょ。

 

――その言葉は大変嬉しいが自分では普通と思っているのでね。素顔全部は晒さぬよ?

 

こうして私はAの時にグラサン、Cでギリギリの撮影を行ったのでした。

紅葉、本当にグッジョブです。

 

ところで、写真の靴・靴下が全て同じであることからも分かる通り、撮影は一日突貫で行いました。

服を持ち込んでトイレで着替えたのです。

服三着分持ち歩くのが地味に重かった上、空きが充分あるにも関わらずちょっとでも長引くとすぐ声を掛けてくる他のお客さんがいて、精神的に面倒臭かったです。

あの人、お腹下してトイレ籠城している人にも声掛けるのかなあ。

優しい半分微妙に大きなお世話だ……。

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▲着替え中

The END.

目線入れ眼鏡がアリならモザイク仮面もアリだ

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▲「カメラトカヤメテクダサイヨ、ナンナンデスカー」

顔への丸いモザイク処理を、見たことがある方も多いと思います。

アレを作りました。

 


 

●アマゾンのロングテールビジネスの凄さよ

面白グッズを検索すると、良い意味でどうかしているアイテムが目白押し。

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▲その内の一つがこれ

よくある目線入れの三次元版というわけですね。

地味にワンコイン超えてるお値段です。

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▲買った(マスクしてみたら怪しさが増した)

二時間程かけ続けてみましたが、なかなかどうしてかけ心地は良いですね。

鼻は赤くならないし、耳も痛くなりづらい。

「幾らオモチャでも妥協しない!」ってことなんでしょうか?

ジョークグッズとしてだけでなく、動画投稿者やライターさんにもニーズがありそうです。

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▲動画におけるミスターARuFaのは恐らく手作り

 (顔の曲線にフィットしているので、黒い紙かプラバン?)

さて、目線入れは売っていることが分かりましたが、顔全体がモザイクされるものはというと、

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▲売ってなかった

じゃあ作るしか無いですよね。

というわけで今回は、『いっそ商品化して欲しい』。

 

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●作った

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▲こんにちは、清水舞鈴です(高声)

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▲いやー顔は勘弁して下さい(高声)

これは凄い!

顔に全く加工は入れていません。

下地で何かを被っているわけでもありません。

それがここまでブロックできます!?

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▲現場近くの住人

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警察密着番組の犯罪者

これ、イイものを作ってしまったかも知れません。

(呼吸穴まで塞いでしまったので、つけると息ができなくなるのは秘密です)

 

●作り方

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▲材料の皆様

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▲透明仮面の内側に

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▲窓ガラスの目隠しシートを貼る……

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▲曲面ムズいってか不可能だなコレ

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▲一ドットずつ切り抜くか

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▲こんな感じで一晩ずっとやってた

すんごく肩がこりますよ、これ……。

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あーめんどくせーマジで

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▲でも楽しいのも事実

こういうプチプチした作業は、暗記する程見たゲームプレイ動画をBGMに流しながらやると捗りますね。

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▲やっと貼れた~

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▲試着……よし、透けない!

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▲完成(某呪い面(リンク先閲覧要注意)っぽくて恐縮だが)

遠目に見ると予想以上に白くなりましたが、モザイクの不規則なドット感は出せているんですよ、これでも。

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▲ズームするとこんな感じ

では出かけましょう。

どういうシチュエーションで撮っても、匿名感溢れる事件現場になるはずです。

 

●背景によりけり

で、いろいろ撮ってみたんですけど……、取り敢えず解説一切無しでご覧下さい。

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私だけでしょうか。

こう言っているようにしか見えないのです。

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まるで、災害のインタビューを受けているかのようで――。

 

 

奇しくも、三月ですね。

 

 

貴方は、あの日――3月11日、どこにいましたか。

 

 

金曜日。ド平日。当時高校一年生の私は家に居ました。

高二と高三は卒業式のリハーサル中で、「無関係な高一はおうちで寝てなさい」と言われていたのです。

年子の兄も似たような状況、二人して家に居て、面倒臭い雨戸閉めを早々と終わらせた薄暗い中で、ぼんやりゲームなどしてました。

 

突然

 

バンッ

 

地下室を横合いからぶん殴るような、強烈な音。

ジャイアント馬場の張り手ってこういう感じかな」と思いました。

 

直後。

 

 

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14時46分。

それは人生初の、震度5弱地震

 

私は揺られながらも玄関の扉に突進し、開け放したまま押さえつけました。

地震で怖いのは、火災と、揺れで歪んだ扉が開かなくなること

逃げ道だけは意地でも確保しようと、足を突っ張りつつ揺れが収まるのを待ちました。

どれだけ激しくても十数秒で終わる」と教育を受け続けていたからこそ怖さが無く、その後のために行動しなければならないと咄嗟に考えたのかもしれません。

 

自転車に乗った親子連れが目の前の道路で止まりました。

「何!? ねえ、離れないでよ!? みーちゃん」

背中に赤子を背負った母親が、補助輪付きの自転車に乗る幼子に声を掛けていました。

 

『降りろ!!』

親子を見つめて、しかし声は出ませんでした。

『降りて塀から離れろ!! 電線の真下を通るな、馬鹿かお前は!!』

何せ古くからの住宅地です。

なかなかの高密度で電線はあるわ、土塀も建築基準法改正前の高いものだらけだわ、親子がチャリで揺れの中通るのは、無謀を通り越して自殺志願にしか見えません。

「えー揺れてる、何? 何、何」

『お前何年生きとんのだあああ子どもと自分の頭守れボケえええ』

私の思いも知らずに、親子は路上で立ち尽くしていました。

尤も今にして思えば、こんな揺れの中では降りることも難しかったはずです。

 

運が良かったか、電線も切れず、塀も崩れず、揺れは消え失せていきました。

 

きょとんとした顔で辺りを見回す子ども。

「……行こう行こう」

ゆっくり走り出す自転車。

『降りて押せやあああ地震大国日本に何年住んでんじゃお前えええ』

 

取り敢えず扉は開け放しておいて部屋に戻ると、兄がテレビを付けて速報をチェックしてくれていました。

そこで今回の地震が、かの悪名高き関東大震災を超える震度7であることを知ったのでした――。

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▲……

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▲まさかこんなシリアスな気分になるとはな

別にやらなくてもいい、アホな工作をして、読者の方々に「モザイク仮面作ってるよこの人(笑)」と呆れて欲しかったんですが……。

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さあ、皆様ご一緒に。

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▲黙祷

 

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【結論】

まだ八年。

 

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以上、「目線入れ眼鏡がアリならモザイク仮面もアリだ」でした。

 

復興庁が名前と体制を変えて継続されます。

どこぞの誰かがふざけたこと言ってましたが、復興は終わってなどいません。

元の住居に移りたい仮住まい者が、故郷に戻りたい県外退去者が、漁師が、農家の方が、街が、「震災が起こったんだったね、そう言えば」と言えるほどの元の姿に戻らなければ、何も終わらない。

 

ちなみに、阪神・淡路大震災は、上記で言うところの「元の姿」に戻るまで10年かかったとされ、それ以降も財政状況の悪い状態が続いています。

熊本地震は、現在進行形で道路の亀裂や線路の寸断などが修繕を急がれている状態。

状況や自治体など多くの点が異なりますが、大震災を受けた世界が、ものの五年で復活するわけが無い。

 

その上で、貴方に問います。

 

私達は今、何が出来ますか?

 

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【おまけ:総括短歌】

陰ながら この日本に住む 者として 顔を隠して 援助いたします

 

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【Staff】

企画・構成 清水舞鈴

撮影    清水舞鈴

編集    清水舞鈴

制作    清水舞鈴

監督    清水舞鈴

 

【Special Thanks】

ビー玉・透明飾り通販SHOP(透明仮面購入先)

株式会社花昭(↑の運営会社)

 

ARuFa氏

 

多摩川河川敷

やたら興味津々に近づいてきた親子さん達

 

今まで援助をしていた貴方

今まで忘れずにいてくれた貴方

スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の副題は、ここまで読んだ貴方ならもう予想が付いていると思います。

【自分語り】3.11の体験』です。

 

南海トラフの予測も出ています。

まずご自分の備えをし、その後ゆとりがあるのなら――援助をしても良いのではと、私は考えています。

 

The END.

熱き日銀のスノードーム

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▲海に塗れる二千円札

職場で二千円札が手に入ったので、絶対使わないよう保存することに決めました。

 

その結果がこの写真です。

何だと思いますか?

 


 

●答え:スノードーム

タイトルにめっさはっきり書かれてるのでクイズにすらなってないんですが、そうです、スノードームです。

 

職場で二千円札がレジに入っていて、会計係がお金の計算してたので、千円札二枚を持って近づいたんですよ。

「激レアなヤツじゃないっすか……両替してくださいよ……!」

ワタクシ、人生で生二千円札見たことなかったんです。

で、野口英世二名を旅に出して紫式部を迎え入れたわけです。

後でその様子を窓越しに見ていたらしい同期から二千円札手に入れて……嬉しかったですか?」とニヤニヤされました。

(※レジの金とポケットマネーを両替すると、何処かで計算が合わなくなった時に疑われる。故に私の職場では推奨されない)

 

さて、手に入れた二千円札

使うつもりは毛頭ありません。

二千円払って『二千円札』を買ったのです。

 

で、七味をcrystallizeしてる、美しさに嘆息すれば良いのか脱力すればいいのか、そのキワキワを攻めてる記事を見つけて、これなら永年保存できると確信。

東急ハンズに行って、材料を買ってきましょう。

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▲よし、作ろう

外出って大事ですね。

一ミリも考えていなかった方向転換をすることになりますから。

というわけで今回は、『これも保存と言えますよね』。

 

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●作り方

WARNING!!

これから使うコーティング剤は有機溶剤です。

見易いように素手で取り扱っていますが、出来れば何かしら手袋など付けて作業をしてください。

また、揮発すると下に向かって臭いが流れていきます。

マンション・アパートの方は外で、一軒家の方は一階で行うか、二階以上で行う場合は一階の窓を全開にするなどして、十二分に換気をしましょう。

用意できるのなら防毒マスクをつけ、「うわ~マジックペンの臭い~」などとふざけて嗅がないように。

大量吸引した場合は、極端な話、死にます。

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▲デザイン画がこちら。

今までで一番早く描けた(雑だから)

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▲①まずはモチーフを作ろう

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セルロースセメントに

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二千円札どぼーん

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▲かたつむり並にゆっくり引き上げ

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▲そのまま二時間乾かす(乾かし方はこちらを参照)

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▲今度は逆さまにしてどぼーん

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▲引き上げ

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▲二時間放置。これでワンセット。

もうワンセット行い、終わったのは夜八時

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▲②台座に砂をつけていこう

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▲瞬間接着剤を塗り

(※以前の記事で購入した水中用瞬間接着剤を使用)

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▲砂ばさー

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▲ちょっとだけ押さえる

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▲余分な砂を払う

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▲ついでにドームの中に砂を入れておこう

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▲③ゴム蓋にモチーフをくっつけよう

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ホットボンド盛って足を固め

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▲継ぎ目に砂をまぶす

(水中用瞬間接着剤を塗ると綺麗)

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▲④ゴム蓋をはめ込んでいく

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▲モチーフが取れないようにぐぐっと

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▲⑤水を入れよう

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▲精製水5:グリセリン1でとろみ強めにし

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▲青い食紅で海の色を付ける(濃すぎた)

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▲こんなスプーンついてるのね、初めて知った

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▲ゴム蓋を押しのけて口を差し込み

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▲チュイー

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▲びっくりするほど足りなかった

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▲買った

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▲総水量約1.4リットル(驚愕)の跡

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▲⑥台座をつけて

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▲完成!

早速使ってみました。

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▲逆さにして……

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▲ズシャー

動画撮る暇もなかった。

これこそ海中の様子と思い直すことにします。

今にも潮騒が聞こえてきそう。

今までの工作の中で、(砂の舞い方以外は)一番想定通りの美しいモノができました。

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▲ワタクシが満足なので、これでいいのだ

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▲あ、この姿についてはいつかお話ししますね

なお、本番の前に、コートでお札の印刷が溶けないかどうかを実験しています。

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▲その産物。千円札を四回コーティングした

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▲当初は対角同士を結んだデザインの予定だった

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▲入らなかった

流石水濡れしても全く揺るがない印刷。

コーティングを繰り返されても美しいままです。

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▲ついでに水張った手桶に

一週間突っ込んでみたが、平気の平左

しかしどうしようか、この千円。 

 

●何で黒塗り?

ところで、皆様は今までの画像を見て、違和感を抱きまくりましたよね。

何でお金の部分だけ真っ赤なのかと。

 

ちょっとだけ法律の話をしましょう。

日本は貨幣損傷等取締法通貨及証券模造取締法という、今回の工作における重大な法律を抱えています。

 

前者は「硬貨を使えなくしたらお縄」

後者は「お札っぽいもの作ったり販売したらお縄」という意味で、準用(=法律を、法律に明示されていない部分にも適用)すると「お金の画像を公開したらお縄」です。

 

お金を使ってなんやかんやするだけでなくネットに公開するとなると、当然この法律は知っていなければなりません。

知っているべきっていうか知らないとは言わせない。

 

で、法律及び準用範囲なども確認するため、

 

国立印刷局

財務省理財局

日本銀行

 

に取材したのでした。その結果が赤塗りだったというわけです。

 

取材内容は主に、

①この二千円札は今後一切使えなくなるが、それは法的にどうなのか

②インターネットに公開する際の注意点はあるか

③そもそも二千円札はどうしてこんなに珍しいのか

です。

それぞれに、メールや電話でお答え頂いたので、ご覧下さい。 

 

国立印刷局:メール】

《①》

直ちに違反するかは判断できません。財務省理財局に聞いてみて下さい。

今後使う予定がもし一ミリでもあるなら、加工しないで下さい。

ATMで使えなくなったり、偽札と見分けられなくなったりするからです。

お札は皆で使うから大切に扱ってほしいですね。

《②》

通貨及証券模造取締法により、「それっぽい」見た目のものは製造禁止です。

画像を載せるなら斜線や「見本」の文字などを入れるなど対応して下さい。

程度によってはお縄になります。

これもどの程度かは財務省理財局に確認して下さい。

《③》

あくまで私達は製造機関なので、発注されない限り作りません。

なぜ発注しないかは、日本銀行に確認をお願いします。

なお、日本銀行が公開している銀行券発注高を見ると、平成十六年度以降の発注はなされていません。

 

財務省理財局:電話】

《①》

厳密な意味でこれを取り締まる法律はありませんが、推奨はできません。

(※財務省=お金における国の立場を表す部署なので、「いいですよ!」とは口が裂けても言えないのだと思われる。一旦個人に許すと、それを前例として錦の御旗ばりに行使するおバカちんが必ず出現するから)

《②》

モザイクや黒塗りをすれば、確かに法律にはかかりづらいと思います。

ですが、もし可能なら、載せないでほしいですね。

(※これも同じ。「ちゃんと処理してくれるなら載せていい」とは言えない)

《③》

馴染みが薄く、使いにくかったのかもしれません。

海外にはミドルやクオーターがあるので、使いにくいということはあまり無いと思っての発行だったのですが……。

 

(私)――お忙しい中ご回答頂きありがとうございます。最後になりますが、こういう質問は割とありますか?

 

ありますよ。お札折り紙の作品などで、たびたび。

 

(私)――そうでしたか。ありがとうございました。

 

日本銀行:電話 ③のみ】

※①・②は法関係なので聞いていない

 二千円札が普及しなかった原因としてはいくつか考えられるところがあります。

 

まず、日本の治安がトップクラスで良いということ。

海外、ことにアメリカだと、クオーター(25セント)などのミドル硬貨、言うなれば「中途半端な額」の貨幣が普及しています。

思うにこれは、治安の悪さが原因ではないでしょうか。

治安の悪いところで、お財布に一万札をポイポイ入れた状態で歩けますか?

すぐに襲われ、盗難に遭い、一瞬で一万円が何枚も消え去るんですよ。

だからなるべく小さい額に分散させ、必要な分しか持ち歩かない。

 

そういう点においては、日本はまだ安心できます。

恐らく国民も、そう思っていたのかもしれません。

五千円札や一万円札を平然と取り扱えるというのは、無意識に「盗られる心配は無い」と感じている、その証左ではないでしょうか。

 

次に、二千円札を使える機器が無いという点。

実は発行された当初、二千円札を扱う自動販売機・券売機も作られ、設置されていたんです。

しかし国民の間で二千円札があまり使用されていないということに気づくと、メーカーさんは思うわけですね。

「四種類のお札に対応したセンサーを乗せるより、三種類だけ見分けられるセンサーを使った方が安上がりだ」

やがて二千円札対応機器が姿を消していくと、二千円札を持っていた国民も思います。「何だよ、使えないじゃんよ」

そして銀行で千円札二枚と交換してしまう。

 

最後に、市井の銀行がそもそも扱っていないという点。

今までお話しした要因から、国民に普及していないと分かると、銀行としても扱いたくなくなるでしょう。

謂わば「売れない商品の在庫を、いつまでも会社が持っているのか」という話です。

 

ところで、市井の銀行と日本銀行とで、貨幣をやりとりする際の手続きがどういうものなのか、ご存じでしょうか?

よく勘違いされるのですが、市井の銀行が「○○円くれ」と言う→日本銀行がそれに応じお札を流すのではありません。

正しくは市井の銀行が「○○円を、一万円札何枚と五千円札何枚と千円札何枚でくれ」と言う→日本銀行指定通りのお札で渡すのです。

 

つまり、日本銀行がいくら「二千円札もらってくれないかなー」と思っていても、市井の銀行が「二千円札何枚でくれ」と指定してこない限りは渡せないのです。

強制する権限はありませんし、そもそも「売れないからってせっかく開発したものを捨てるとは何事! 愛情持って普及させなさい」なんて言われたって嫌でしょう。

それこそ市井の銀行が国民に無理矢理二千円渡そうとするようなものです。

 

(私)――ということは、日本銀行二千円札を十二分に抱えているんですか?

 

その通りです。

 

(私)――実は国立印刷局にも同様の質問をしたのですが、「発注されてないから」との回答でした。てっきり発注していないのは、もう普及しないからいいやと諦めて自然消滅するのを待っているからだと思ってました(笑)

 

いやー(笑)、在庫が、市井の銀行全てから注文を受けても問題ないであろうレベルでこちらにあるものですから。

 

(私)――ということは、ほかのお札と同じ量だけあると……。

 

それは機密なのでお答えできませんが、「たくさんある」というのは確実です(笑)

 

(私)――父から、○○銀行(噂レベルなので名は伏せ)に行けば二千円札をすぐ出してくれると聞いたのですが、一部銀行では積極的に扱っているのでしょうか?

 

扱っていただいているところはありますね!

特に沖縄県の金融機関は普及に積極的です。

お札の表には堂々たる首里城の門が描いてありますから、沖縄とは切っても切れない関係です。

 

(私)――お忙しい中、ここまで詳しくお答え頂きありがとうございます。最後になりますが、日本銀行としては、二千円札は普及してほしいですか。

 

それはもう!(←熱いトーン)

是非とも普及してほしいです!(←明らかに笑顔)

寧ろどんどん使ってほしいんです。せっかく作ったので(笑)

裏の紫式部もよろしくお願いします。

 

(私)――素敵なデザインですよね! お時間頂きありがとうございます。

 

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【結論】

二千円札を忘れないで。

 

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皆さんも二千円札を見かけたら、日本銀行のアツい心に思いを馳せてみて下さい。

――あれ? 待てよ。

 

「どんどん使ってほしいんです」

 

……使えない状態にしちゃった……。

 

以上、『熱き日銀のスノードーム』でした。

お後があんまりよろしくないようで。

 

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【おまけ:総括短歌】

ニッポンの 治安が良いから サツと札 姿を見せぬ 今日も非番だ

 

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【Staff】

企画・構成 清水舞鈴

撮影    清水舞鈴

編集    清水舞鈴

制作    清水舞鈴

監督    清水舞鈴

 

【Special Thanks】

七味クリスタル

林雄司氏(七味クリスタル執筆者)

 

東急ハンズ新宿店

スノードーム・ネット(スノードーム購入先)

ルアーメイキングのススメ

 

独立行政法人国立印刷局

財務省理財局

日本銀行

 

スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の副題は、『デザイン画の500円玉は何?』です。

実は同じく職場のレジで発見したものです。

「平成五年皇太子殿下御成婚記念硬貨」と書かれている上、裏に鶴が二羽飛んでいるという、祝賀モード全開の500円硬貨。

ワタクシ平成六年生まれなので、生まれる前のアイテムです。知る訳がないんですね。

先輩方が「懐かしい」と騒ぐ中、さっさと自分の500円硬貨と交換して「手が早い」と言われました。

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▲で、スノードームに入れようと思って

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▲ここに描いてあるんだけども

貨幣損傷等取締法の一部を引用しましょう。

1 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない。

2 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶす目的で集めてはならない。

3 第一項又は前項の規定に違反した者は、これを一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 

時は遡り、財務省理財局との電話。

 

(私)――貨幣損傷等取締法って、「硬貨を使えなくしたら捕まるよ?」と言ってるように見えるんですが。

 

その解釈で合っています。

 

(私)――今手元に500円玉があるんですが、それを入れt

 

捕まりますよ?

 

(私)――アッ、ハイ。

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▲よって、入れられなかったぜ!

あくまで紙幣限定です。硬貨をオモチャにしないように!

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▲なお千円札は、ミニシャンデリアになりましたとさ

The END.

【自分語り】人生初献血で死にかかった

WARNING!!

今回は全編に渡りボールペン一発描きの漫画です。

データ通信量が爆発します。

スマートフォンご使用の方は、

 

Wi-Fi接続時に来て頂く

②先にページをダウンロードしオフラインでご覧頂く

③諦めて見る

 

以上のどれかを推奨致します。

 

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【自分語り】親知らずを粉砕せずに済みました

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▲漂う焦げのかほり

 

親知らずを抜こうと覚悟しましたが、別にそんな必要ありませんでした。

安堵と共に、経緯と豆知識をご紹介します。

 


 

●5/19(土) 11:20

地元に根付いた名医、さくらい歯科に着きました。

穏やかな対応と誠実で細やかな技術がNICEと評判です。

ワタクシも市境を超えてやって来ましたよ。

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さくらい歯科

舌で下の親知らずの歯肉をムニムニ押しながらね。

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▲ムニムニしてる顔

舌を奥に巻き込むために、口は閉じていますが顎が浮いている感じの顔です。

結構な間抜け面ですね。

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▲緊張しよるでぇ

 

「あれ? 何かコリコリしてるぞ」

大学二年の時、左下の奥を舌で触って気づきました。

思えばあれが最初。

そこから二年掛けて全部生えました。

ところが……

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▲左上・左下・右上

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▲右下

どうした右下。

歯肉の布団から出てこようとしません。

冬の朝かよ。

で、時折この歯肉の下にゴマやらハイチュウやらが潜り込んで、歯磨きが超面倒臭い。

嫌な同衾相手です。早よ起きて身支度せんかい。

 

●11:30

「予約した清水と申します」

「清水様ですねー、初診ですのでこちらのアンケートをご記入の上お待ち下さい」

ということでアンケートに回答しますが、大体こういうのって全部「特に無し」ですよね。

私の場合、アレルギーの項目に『花粉症』と記入する以外、ホントに特に無しでした。

そのまま呼ばれるまで待機。

 

この呼ばれるまでがわずか三分だったのですが、いろいろ考えてしまいます。

ちなみにそれを、考えた通りにメモった内容がこれ。

 

・歯肉の被ってる親知らずは抜かれるもの

・もうそれ以上生えてこないからである

・根っこが顎の骨に引っかかってるため、抜くのが難しい

・超音波当てて歯自体をグズグズにしてから、ノミで軽く叩いて砕くらしい

・治療後に傷口が開きっぱになるドライソケット要注意

・骨が剥き出しになってるため相当に痛い

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▲ついでに掲載、メモり中の私

 

……こうやって見返すと、絵に描いたような鬼胎ですね。

ネットで五秒ググった程度の内容しかありません。

案ずるより産むが易しという言葉をこれほど掛けてやりたいと思う人間もいない。

 

ちなみに、歯医者に来るまでに一年ほどネットで散々調べています。

五秒で出る程度の内容をいろんなメディアで見たせいで、うっすい事実に至るまでに長時間掛けていたのですね。

今だから言いますが、Yahoo!知恵袋に投稿したりキーワードをちまちまマイナーチェンジして調べたりする暇あるなら、とっとと医者行け。

どんどん無駄に怖くなって先延ばしにしている間に、取り返しがつかなくなるかもしれません。 

 

●11:33

「清水さーん、お待たせしましたー」

診察室に通されます。お馴染みの水道付き電動機能椅子にsit down.

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▲やわらか入れ歯のポスターが印象的

もう、ポスター見て意識を逸らしています。

これから来る流れを考えたくない。

「はーい、診ていきますね」

先生がデンタルミラーを口に入れてきます。

 

ここで軽く確認

→レントゲンの撮影

→ひっかかっていることを確信

→歯茎に麻酔(痛)

抜歯(激痛)

後日超腫れる(超痛)

 

この流れを想像して、ぎゅっと拳を握ります。

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▲KAKUGO is ready.(覚悟はできた)

 

 

 

 

「ほぼ真っ直ぐですね。抜く必要はありません

 

 

 

 

おっと?

 

ここで軽く確認

→抜歯不要を確信

 

既に流れが違うぞ?

「歯肉が強く被さっていて、親知らずが押さえつけられちゃってるんですねー。ですから、歯肉を取っちゃいましょうか。そうしたら真っ直ぐ上がってこられます」

 

先生曰く……

 

・親知らずの生える早さは圧倒的に上>下

・そのために上が生えて、下の歯肉を刺激

・傷ついた歯肉が再生し、厚くなる

 

という過程で、下の親知らずが生えてこられないレベルにまで歯肉が強くなってしまうのだそうです。

つまり歯肉さえ取れてしまえば、問題なく生えてこられるということ。

へー。

 

「ただ、歯肉というか粘膜系は、再生するのがとても早いんです。下の親知らずが生えるよりも前に、また被さってくるかもしれません」

空気読めよ歯肉。

何で削られてるか考えろや。

 

まあ歯肉が被さるかどうかは個人差が激しいとのことなので、取り敢えず今回は取ってもらいます。

 

●焦げのかほり

「電気メスで焼き切ります。出血が少なくて済みますよ」

「あい(口開けたまま返事)」

まずは麻酔!

歯茎に三カ所、プスッと行きます。

 

あれって、何であんなに痛いんでしょうかね?

我慢できますけど、こう、「ちゅぅいぃ……いいぃ……んっ」っていう感じの痛みですよね。

腕に注射する時の「ちくっ、にーぃ」とは全く違う痛み。

子どもが泣くに決まってますよ、主な痛みが全然終わらないんだもの。

 

それを三カ所。

 

ちゅぅいぃ……いいぃ……んっ

「麻酔はすぐ効いてきますからねー」

ちゅぅいぃ……いいぃ……んっ

「よいしょ」

ちゅぅいぃ……いいぃ……んっ

「はーい、一回口ゆすいで下さい」

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▲奥が苦いぜ

「では取っていきますね」

横から何かいろいろ吸い取るパイプも差し込まれます。

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▲切除中の景色

……目のやり場に困ります。

術中の先生や職員さんにガン垂れるわけにも行きませんし、壁の掲示物は角度がキツくて見られません。

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▲仕方ないのでココ見てました

先生方を見るのはチラッという程度。

マスクにニコニコマウス描いたら、ちょっと面白く……ならないな、怖いな

どーでもいーこと考えて時間を潰していると……

 

何か、臭い。

 

「焼いているので、ちょっと焦げ臭いですよー」

確かに、『歯肉 切除』でググった時にチラホラ見られた言葉です。

「焼き肉の匂いがしてきて腹減った」

そんな脱力モノの感想も見受けられました。

 

しかし、臭い。

 

口の中一杯に充満する焦げ臭さ。

それは確かに焼き肉店の匂いでした。

牛角』の七輪の隅に置いて忘れていたが、刻々と焦げて最終的に消し炭になっていく時の匂いでした。

私の歯肉はだったのです。

 

「はい、終わりです。口ゆすいで下さいー」

ゆすいでも血は全く出ませんでした。凄いな、電気メス。 

 

術後にしばらく先生とお話ししたのですが、その時に教えてもらったのがこれ。

 

・抜歯するのが一番キツいのは、前に倒れているもの

 →手前の歯が邪魔で、そのまま抜けないから

・埋まっていたり前に倒れていたりすると、砕く必要がある

・上の親知らずを抜いてもそこまで問題にならない

・下の親知らずを抜くと、腫れたり痛んだり、顎にアザが出てしまう人も

 

待って待って。

 

顎にアザ……!?

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▲ひいぃぃいいいい(『親知らず 抜歯 顎 アザ』)

親知らずを抜く、というのは「抜歯」の一言に収まるものじゃないんですね。

……今焼いた歯肉が被さってくるようなことになったら……私もココに入ることに……

 

●11:45 終了

お値段は保険適用で1140円

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▲やすッ

歯医者さんはもっと掛かる(四桁後半いく)イメージでしたし、親知らず関連なので全く想像がついてませんでした。

無駄に二万円おろしてくる辺りに、私の気合いと覚悟と物知らなさを感じて頂ければと思います。

 

ちなみに、今回痛み止めは処方しないそうです。

市販のもので充分で、それでも止まらないような痛みが出てしまったら、電話してくれれば処方するとのことでした。

薬は高いからねぇ。無駄なものは省いてくれるのがこの先生のやり方なのかも。

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▲お世話になりました

 

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【結論】

ググってねぇで医者行け。

 

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以上が半年前の話でした。

 

焼き切った直後のザ・炭火で焦げていく葱状態の歯茎ですが、写真に撮ってあったのを捨てました。

 

傷口は炭(っぽく見えるが実際は黒ずんだ何か)になってる。

その切断面は、寒天ゼリーの如き柔らかさと際だったエッジを持っている。

埋もれてたのでミュータンス菌の出す酸に晒されることのなかった親知らずが、尖鋭な歯冠を誇らしげに輝かせている。

その対比が何とも……まあ、あまりにも公開に耐えうるものではなかったんですよねえ……。

 

以上、『親知らずを粉砕せずに済みました』。

皆さんもハチマルニイマルの精神で、歯を大事に。 

 

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【おまけ:総括短歌】

素人の 検索・判断 意味が無い プロに頼んで 覚悟を決めよ

  

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【Staff】

企画・構成 清水舞鈴

イラスト  清水舞鈴

編集    清水舞鈴

制作    清水舞鈴

監督    清水舞鈴

 

【Special Thanks】

さくらい歯科

 

牛角

レインズインターナショナル株式会社(『牛角』運営会社)

株式会社コロワイド (上記会社の親会社)

 

スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の副題は『敢えて年末感を出さない』ことです。

クリスマス? 年越し? 大掃除?

それは他のブログさんがやってくれています。

だから私はやらなくていいですよねー。

 

 

え、「このブログしか読んでいない読者のために書け」?

……。

 

 

 

 

いるのか、そんな人……? 

 

 

The END.