▲最強に美味しい水れもんはどれだ!?
お酒が好きですが、喉が「ア゛ッ」となるのが嫌というわがままフェアリー(世代バレを自ら行うスタイル)な筆者です。
お酒は基本割って飲んでおります。
「ケッ、混ぜモンとかカクテルとかかよ、チャラつきやがって。そりゃ酒好きって言わねーよ!」
誰か今そう言ったような気がしますが、酒なんぞ嗜好品なのだから、好きに飲んでりゃいいのです。
あなたお湯割り、君はロック、おぬしストレート、私混ぜモン。
そんな中で小田原名物・水れもんを知った時は「なぁにぃ!?」ってなりました。
●焼酎って割っていいんですか(無知者発言)
↑この小見出しからして、私が如何にアホたれか分かっていただければ幸いです。
というのも私の中では「焼酎=クサい」。
芋や麦、米のかほり漂う薄黄色のソレを、ロックもしくはストレートで飲むのが当たり前……というか、それ以外に飲み方あるわけ無いだろ? という威圧感すら感じていたのです。
「匂いトんじまうからなあ、そりゃ『焼酎を楽しんでる』とは言わねーよ、ただ『水みたいに飲んでる』だけだ」
これはウチの祖父のコメントです。
極左党(政治の話じゃありませんよ、酒飲みか否かです)が身近にいなかったためか、「じいちゃん、なにのんでるの」と酒に興味を示した幼い孫に、独り言がてら放ったのでした。
『水みたいに』って凄い表現ですよね。
酒を味わうことをせず、酔うために食道を通しているだけで一切酒に気を払わない、と。
幼い私が「おみずつめたくておいしいよ」と反論(?)したのを、苦笑しつつ流していた祖父は今や七十後半です。
そろそろ血圧がやべえので酒は控えて下さい。
そんなわけで、焼酎とは香りを楽しむもの・薄めるなんて言語道断という焼酎原理主義を刻み込まれて生きてきたワタクシ。
割っていいという発想に至るはずも無く、割らないと飲めないワタクシは焼酎自体に興味を持たないでいました。
そしてワタクシ、これも知りませんでした。
▲普段割って飲んでるやつ
▲えっ
▲えぇえええぇ
これ焼酎だったの!?
焼酎には芳醇な香りの乙類とスッキリ癖のない甲類の二種類あるんですと!!!
つまり祖父が飲み、原理主義を説いていたのが乙類。
これからお話する水れもんなど、割ったり混ぜたりするのに向いているのが甲類。
それを知らず「焼酎=クサい、割っちゃだめ」と思っていたのは、民法で刑事法の事件を裁こうとしたり仏教的観点からイスラム教を批判するようなモンだったわけです。
そりゃ解決のしようがないよ!
●やっと水れもんの話
さ、無知を曝け出したワタクシの前置きが異常に長くなりましたが、ここで本題の水れもんの話をしましょう。
「『水レモン』とは、8分割したくし切りのレモンを入れた、焼酎水割りのことです」
(小田原プロモーションフォーラム公式サイトより引用)
……という、良く言えばシンプル、悪く言えばアバウトな説明がなされている、焼酎の飲み方の一つ。
・焼酎と水の比率は?
・レモンは絞って良いのか?
・レモンは他のカットではダメなのか?
といった説明が悉く省かれています。
「飲めば分かる! だから飲みに来い!」ってことなんでしょうか。
……おや、「安心でおいしい飲み物」という表記もありますね。
これ即ち「美味しく安全ならばそれが水れもんである」という考え方をしても良いってことですよね?
強引? うるせいやい!
では『最強水れもん決定戦』を開催しようではありませんか。
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●水:酒=?:?
【ルール】
・水:酒=1:1、1:2、1:3、1:4及びこれらの逆比と酒のみ・水のみで計9通
・一杯を200mlとする
・レモンの切り方は全て8等分の櫛切り
▲チャートの見方。各観点は5点満点で評価
【後日総評】別日に書いた感想
なおチェイサーに麦茶を使用した上で、酔って味が分からなくなる可能性を考慮し別日にもう一度順を変えて飲み直しています。
総評は一回目、酔いながら書いた物。
画像下の『後日総評』は後日このチャートを見て付け足したくなったことです。
① 1:1
【後日総評】
これ以降のチャートを見返して味が思い出せるのだから、酔いながら同時進行で作った割にはそこそこ正確なのかもしれない。
故に皆様におかれましては、そこそこ参考にして頂いても良い感じだと思われる。
しかし何度読み返しても『飲める攻撃』が分からない。
酔ってる自分も突っ込んでるし。
②1:2
【後日総評】
アルコールにレモンが溶けやすいのか、以降アルコール濃度が高くなると、味も香りも一緒に濃くなる。
但し私の鼻につくのが「ガッ」の方なので、レモンの後ろに「ガッ」がいると一瞬でレモンが消え失せてしまう。
で、元彼って何よ。
③1:3
【後日総評】
『嫌いなものだからこそ違いが分かる現象』 が発動。
「ガッ」の度合いが明らかにALL酒と違った。
まあ来ることには変わりないので満点だが。
しかし『万人に嫌われる味』って随分な断言したな。
④1:4
【後日総評】
この辺で強すぎて気持ち悪くなってきていたんだと思う。
よく見なくても分かる。味の具体的な説明が無い。
分かるのが原酒より若干薄い程度という……。
しかし最後の断言は、どの立場でモノ言っとんのかね。
⑤4:1
【後日総評】
実を言うと、この濃さですら普段の私にとってはまだ濃い。
5:1とか6:1とかで飲んでいるものだから。
チャートの面積自体は小さく見えるが、しかし美味しさが突出していることに注目して頂きたい。
とにかくあっさりしているので、飲み過ぎ注意。
⑥3:1
【後日総評】
美味しいと言える私の許容範囲がここ。
この辺り、水分多めに取っているからか、酔いが薄れてきてまともなことが書けている。
⑦2:1
【後日総評】
いや、これは本当に驚きました。近い値がナチュナルに出てくるとは。
ただ、よくよく考えると、私はストロングゼロを平気で一本飲みながら帰ることもある。
若干度数の低いこの水割りが「ダメだ」と書いてあるのに、どうしてストロングゼロは平気なのか。
…… 炭酸や口当たり、甘味って怖い。強いのをスーッと飲めちゃう。
⑧0:1(酒のみ)
【後日総評】
実験には必ずこういう極端な事例があるから良いかなっていうおふざけの精神を抱えつつ、もう注ぎながら眉をひそめている自分がいました。
で、「ガッ」。
いや、「ガッ」というか「ダアアアアアアアアアアアアアアアアアア」。
いきなり100の値を持ってきてるのも、そのショックの現れ。
背景もわざわざ黒にした上で赤地白文字にしてくる拘りよう。
⑨1:0(水のみ)
【後日総評】
さっきの逆。
野球部の合宿が云々とあるけど、要するにコレ、ピッチャーに入った水にレモン浮いてる状態。
公に知られているレモン水だよ、あんた。
爽やかに当てられてグラフも青くなってるし。
出揃いました。
以上の結果から、こう結論づけます。
・私個人の口に一番合うもの=⑤水4:酒1
・濃いめの水割りが好きな人向け=⑥水3:酒1
・炭酸は苦手だけどストロングゼロを飲みたい=⑦水2:酒1
・取り敢えず酔っ払えりゃいい=⑧酒のみ
・校則が厳しい中でささやかな主張を行いたい若しくは野球部の方=⑨水のみ
では、⑤水4:酒1をベースにして、レモンの処理を考えましょう。
なおレモンの処理も同日に行っており、やはり後日飲み直しています。
●レモンの処理
【ルール】
・レモンは8等分の櫛切りを基準に、投入量を決定
・レモンの切り方は8等分の櫛切り、輪切り、半月切り、銀杏切り、角切り、砂じょうのみ、皮のみ、絞り汁、もはや入れずの計9通
▲今度のチャートはこちら。やはり5点満点。
①8等分の櫛切り
【後日総評】
櫛切りという大きな塊で表面積が体積に対して小さいためか、レモン味がゆっくり出てくる。
なお、30分放置することで「ああ、レモンだねえ!」と嬉しくなれる程度には濃くなるので、ゆっくり飲んで、風味が変わっていく様を楽しむべきなのかも?
②輪切り
【後日総評】
レモンの直径がグラスより大きかったのに、無理矢理潰して入れたのではまった。
取り出す時にフォークを使ったら、押し上げようと力込めた瞬間に崩壊。
ブチブチブチ!
で、目にレモン汁が入って、ムスカ大佐になりました。
③半月切り
【後日総評】
いやホント、別日に作っても、これだけがなぜか「ガッ」とする。
理数系の方、理由を解明して下さい……。
④銀杏切り
【後日総評】
ショートカクテル=ぬるくなる前にさっさと飲むべきお酒。
多分ここでは「味がどんどん変わっていくので、気に入った味の内に飲め」と言いたいんだろう。
気取った言葉使うなよー。
⑤角切り
【後日総評】
苦味の強い皮の白いワタの部分の表面積が、どの切り方よりも多かった様子。
私はビールすら好まないような子ども口なので、こういうえぐみのある苦味は合わないのだ。
……そういえば、本来のビールってそんなに苦味付いてないって知ってました?
⑥砂じょうのみ
【後日総評】
よくソフトドリンクで砂じょう(みかんやレモンの粒々)が入っているものがあるから、これも行けるかなーと思ったんだけどね……。
皮の香りがあってこそ、という当たり前のことを書きたくなる程、これはまずかった。
人生で三番目に、と書かれているが、訂正しよう。
人生で二番目に無い。ちなみに一番は消しかすを練り合わせる行為。
⑦皮のみ
【後日総評】
まあ、だろうねという結果。妥当。
しかし何だこの『レモンを皮ごと食べられる変態(褒め言葉)』って。
……あ、これか!?
こいつ(=酔った私)、人を変態(褒め言葉)呼ばわりしたぞ!
変態(悪口)のお前が言うなー!
⑧絞り汁
【後日総評】
グラフが気持ち悪い。奇しくもワイングラス型。
ワインで口直ししたかったのかな。採点不可とか言って投げてるし。
ちなみに、ポッカ100レモンの公式レシピってこれのことだね。
やってみたが相当濃かった。水+レモン1.75:酒1だしね……。
なお一つ言わせてもらうなら、 ポッカレモン100な。
⑨もはや入れず
【後日総評】
画像無し。要するに水割りだからね。
で?
⑩エキシビジョン:種のみ
【後日総評】
画像は無い。何故かって?
どう見ても「口に入った種を、残ったドリンクに入れただけ」という汚すぎる見た目だったため。
味にも何の影響も無くただの水割りだし……酔った勢いって怖いね。
何でこんなのやろうと思ったんだろ。
●結果発表~!
というわけで、結果はご覧の通りです!
やはりお店で出されているだけあって、ザ・水れもんである8等分櫛切りは良いバランスですね。
勿論、私好みの水4:酒1という、世間一般的には大分薄い水割りで検証しているので、さらに濃いめの割合だと変わってくる可能性はあります。
輪切りがその風味に近く、見た目も華やかではありますが、綺麗で同じ大きさの輪切りを用意するには何十個もレモンが必要に……。
一個から八杯分取れる櫛切りのコスパの強さは、流石考えられていますね。
取り敢えず作ってさっとリフレッシュしたい人には、銀杏切り。
入れた瞬間からレモン味がしっかりと付いているので、変わる風味を待っていられないせっかちさんに。
特別賞については画像の通りです、それ以上のことは何もありません!
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【結論】
香る皮、苦酸っぱい実、まずい種(無意識の川柳)
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【おまけ:総括短歌】
皮ごとを 入れることこそ 意味がある 涼しい香り 小田原の酒
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ちなみに、不明な点として「レモンは搾って良いのか?」と前半に書きましたが、実は『小田原水れもんバル』にはこのような記載があります。
『焼酎の水割りにレモンを軽く絞って、皮ごとグラスに入れて、ステアすれば完成です』
ところが、小田原在住の知人曰く、絞らない店もあるとのこと。
「店によって違うのではないか」「好みの問題では」と。
よってこれから飲みに行こうと考えている皆様におかれましては、自分の好む比率・味わいを把握しておき、それに近いものを出すお店に行くのが一番宜しいかと思います。
今回のチャートをそこそこ参考にして頂ければ嬉しいです。
以上、『最強水れもん決定戦』でした!
ふぁ~酔った……。
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【Staff】
企画・構成 清水舞鈴
撮影 清水舞鈴
編集 清水舞鈴
制作 清水舞鈴
監督 清水舞鈴
【Special Thanks】
宝酒造株式会社(↑の製造会社)
安藤昌教氏(むかない安藤主宰者)
ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社(↑のメーカー)
スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方
この度の副題は、『酔った自分を曝け出す』です。
なかなかに意味不明なこと言ってましたね。
飲む攻撃ってホント何なんだよ。
なお、今回飲んだお酒の総量を計算してみると、
合計値1298ml×飲んだ日数2日=約2.6L
翌日、お腹がユルユルでした。
お酒の飲み過ぎで下痢にならないよう、皆様もお気をつけを……うぉ、また腹が……。
The END.