清水の舞台から縄ばしごで降りる

次回は4月末に更新です。ナンパってまだ生き残っているんですね。

変なWikipediaの記事を見つけた

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▲……?

最早知らぬものはいないであろう、最強の情報源・Wikipedia

とはいえ、その編集を匿名で誰もができることから、当然信憑性に薄いものも大量にあります。

だから読み物として、ぼんやり眺めるくらいが丁度良いのですが……。

 

ある日急に投稿された記事が、あまりにも変だったんですよ。

スクリーンショットだらけだと見辛いので、適宜コピペ・キャプチャーの貼り付けを行います。

 


 

●記事名:ガラスルーフ

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ガラスルーフ(英:Glass Roof)とは、米国の臨床心理士レイチェル・ホフナーが提唱した、人間の心理状態である。

 

●概要

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▲ホフナー氏の若い時分

ルーフ分類は人間の心理における挑戦と自己防衛の狭間で誰もが持ち得る葛藤の一つであり、その状態により8種に分けられるとされるものである。

ルーフ(屋根)とは即ち『自らが閉じこもる空間と「空(=目標)」を隔てるもの』を意味し、現状に甘んじる(=空間に閉じこもる)か、目標に向けて突き進むかという葛藤を例えたものである。

1870年代初頭に提唱されたルーフ分類は研究が飽和状態になりつつあったが、そこに近年加えられるべきものとして、ホフナーは「9番目、最後のルーフ(原語:No.9,Last of Roof)」と銘打ってガラスルーフの存在を提言した。

 

●定義

本項では他のルーフ分類についても記述する。

  通称 心理状態 由来
第一のルーフ ウッドルーフ ルーフ分類にて基本となる考え方。行動すべきか、保留にすべきか。万人に共通しあらゆる場面で発生しうるとされる。 英国のコメディ小説『屋根はどうしよう?』より。
第二のルーフ ストーンルーフ ウッドルーフよりも簡単か困難かの見極めもつかない。より慎重に結論付ける必要があり、混乱・進退窮まる可能性も高い。 上記同。
第三のルーフ ソイルルーフ 多少困難はあるものの、行動に移せば好転することが分かっている。
困難の解決において文字通り「泥を被る」可能性があるも、その程度では動じない意志があるとされる。
土中を掘り進む土竜から。
第四のルーフ アイスルーフ 非常に危険。冷静さを欠き、とにかく行動することに執心している。行動しないという発想が皆無。
行動したことによる周囲への影響や結果には一切思考が及ばない。
凍結した湖面下で溺れている人から。
第五のルーフ メタルルーフ 困難達成のための条件が非常に厳しく、やらない選択肢を取る方が圧倒的に楽。また、先が一切見通せない。
それを打ち破ってでも実行に移そうという意志の萌芽とされ、起業家・実業家に多いと言われている。
『打破の美学』より。
第六のルーフ ハイルーフ 目標が余りにも遠いため、そもそも葛藤以前に意志を失う可能性が高い。 『ヤングケアラーの夢』より。
第七のルーフ ロールーフ 目標が余りにも低いため、葛藤の必要が無い。ペーパールーフとの相違点は「やらないという選択肢が無い」こと。 『簡単過ぎれば人はやる -怠惰更生プロジェクト-』より。
第八のルーフ ペーパールーフ 極めて葛藤が少ない。やるもやらないも簡単に選択でき、どちらを選んでも大して後悔しない代わりに達成感も少ない。
実際は他のルーフを目の前にして平易な選択だけをこなそうとしている逃避行動である。
紙は容易に破れることから。
第九のルーフ ガラスルーフ 目標が明確。踏み出せば少なからず傷つくことが分かっている。即ち「やりたいが、やりたくない」状態。 先の景色が見通せるガラスは、叩けば容易に破れるが怪我を負うことから。

 

●社会問題

葛藤は誰しも発生する現象であり、それ自体は異常ではない。しかし環境・他の精神状態等数々の要因が多様に結びつくことで、虐待や引き籠もりといった深刻な社会問題や論戦に発展することも珍しくない。

2001年8月5日に発生した二十日筒事件では、被害者が常々加害者に向けていた期待がハイルーフと化し、嫌気の差した加害者が殺害に及ぶという構図だったことが明らかになっている。

また今日増えているニート・フリーター問題について、その心理状態をペーパールーフに過剰に結びつけ「あたかも行動しているかのように茶を濁すに留めている」との批判に使用し、当事者らを公然と追い詰める政治家もいる。

ルーフ分類はあくまでも心理状況を整理し解析する一手段に過ぎず、単一で使用し論じるべきではないことは既に多くの心理学者から挙げられている。

 

●出典

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1.^レイチェル・ホフナー『いつ限界を超えるんだ?』(1954年)

2.^ポール・A・ディヴィス『屋根はどうしよう?』(1858年)

3.^マーク・T・テイト『屋根学』(1880年)

4.^チャーリー・B・C『打破の美学』(1837年)

5.^アーロン・ダラー・ウッズ『ヤングケアラーの夢』(1860年)

6.^パシャ・セント・スミスソン『簡単過ぎれば人はやる -怠惰更生プロジェクト-』(1841年)

7.^ペン・オスカー・リチャーズ『素人が使うと危険な心理学』(2014年)

 

●関連項目

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ニート

犯罪心理学

・虐待

・ヤングケアラー

 

●妙なのは……

さて、ここまで読んできました。

皆様はどう思いましたか?

 

まず私は心理学を大学の授業で手習い程度に学んだ身ですが、それでもルーフ分類など聞いたことがありません。

心理学自体が見えないものや主観的なものをどうにか一般化しようという、割と新しい学問のはず。

1870年代初頭に提唱された、そんなにも歴史のあるものなら何故心理学の授業でやらなかったのか?

内容そのものも人間の葛藤に焦点を当てたものです、そんなに難易度の高いものでは無いはず。

 

そこで本を取り寄せてみようと思ったのですが、

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▲ヒットしない……

一冊だけではありません。出典に記載されている書籍全て、そして著者の名前すらも、一切検索結果に出てこないのです。

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▲これだけWikipedia内でもリンクが貼ってあるのに

確かに、ものによっては殊更に「○○ Wiki」と検索しないとWikipediaのページがヒットしないこともあります。

でも全部、悉く出ないなんてことがあるのか……?

 

それから「2001年8月5日に発生した二十日筒事件」。

当時の日付で調べても、「二十日筒」で検索してもヒット無し。

もしかして日本ではないのかと思いましたが、だとすれば当時の日付でそれらしい事件が出てこないことの説明にはなりません。

あまりにも動機や構図がありふれているので報道価値が無いと判断され、市井に流さないなんてのはメディアの常です。

※恐ろしい話だが、「バカ共(=購読者)の興味も引けない被害者は一銭も価値が無ぇんだよ」と言い切った人間を知っているので……

しかし心理学に取り上げるような事件なら、それ関係で一件くらい上がってきてもいいはずです。

 

更に関連項目。

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これらは聴き馴染みがあるというか、積極的に検索した方も多いのではないかと思います。

完璧にというわけではありませんが、大凡相互に関連項目を使ってリンクを貼っているものです。

しかし……

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犯罪心理学の場合

一切触れていません。他も同様です。

 

この記事は何なのか。

検索でヒットしない程のマイナーな心理学の知識を持った方が作ったのでしょうか?

そうだとしても、一個もヒットせず、相互リンクも無いのは不自然です。

 

まるで見つけて欲しくないかのよう、とは言い過ぎですか?

 

有志の続報をお待ちしております。

 

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【結論】

「有志が作れる」=不充分・不確実さを念頭に。

 

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【おまけ:総括短歌】

情報は 口コミ・噂・嘘もある 出典元を良く確認して

 

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スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上が記事を見つけた当初に勢いで書いた内容なんですが、ようやくいろいろと判明しましたので別記事にしてまとめました。

興味のある方はコチラへどうぞ。

The END.