清水の舞台から縄ばしごで降りる

次回は3月末に更新です。没ネタ供養します……

どうせ開かないなら正直に言って欲しい

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▲どこからも開かないじゃねぇか!

開かない。

納豆の芥子しかり、カップ麺の小袋しかり、「どこからでも開く」という詐欺。

騙され続ける民衆。

 

もういい加減、そんな生活感溢れるチープなペテンはやめませんか。

いっそ正直に書きましょうよ。

 


 

●まず特許のお話

とはいえ何処の会社の何だとかは書きません。

何故なのか。

 

この「どこからでも開く」という特殊加工はマジックカットという、旭化成ポリフレックス株式会社(現・旭化成パックス株式会社)開発の素晴らしい技術です。

これが施されている物はほぼ間違いなくストレスフリーにスンッ! と切れ、いちいち鋏を持ち出さないといけない煩わしさを彼方に拭い去ってくれます。

更に、マジックカットを使っている製品には、必ずその証が刻まれているので分かり易いのもイイ。

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▲証一覧。すげー数

(メシ通記事より拝借)

もう一回書きます。

『マジックカットを使っている製品には、必ずその証が刻まれている』

 

逆に言うと『これ以外の表記がされているものは、全てマジックカットではない偽物』。

 

私含めた皆様を苦しめるのは、このマジックカットを騙るクソ詐欺野郎です。

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▲例えばこの表記は……

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▲残念、クソ詐欺野郎だ

マジックカット・Magic Cut・笑顔のマーク(おリボンつけた丸い顔)が書かれていないため、これはマジックカットとは無縁です。

これは開きません。

 

他にも、

 

・▲どこからでも開きます

・こちら側のどこでも切れます

・どこでも切れます▲

 

も全部偽物。

マジックカットの表記が無いし文章が微妙に違うんですね~、馬鹿にしてんのか(豹変)

 

あと、流石にこれをやったら一撃アウトなので見たことありませんが、

 

・まじっくかっと(平仮名表記)

・MAGIC CUT(全部大文字)

・おリボン無しの丸い顔(本来あるものが描かれていない)

 

……等も偽物になります。

じゃあ何でこういうふざけたクソ共が跋扈しているのか?

 

簡単です。特許が無いんです。

 

「え? 商標登録してるでしょ?」と思った貴方、素晴らしいですがもう一歩。

商標登録と特許は別物です。

この辺の詳細は日大法学部新聞学科(筆者の母校←隙自語)などのメディア・知的財産系の学部で学んで頂くかググって頂くとして、簡単に言えば、

 

・商標登録:記号・目印・マーク・ロゴを保護

・特許:技術そのものを保護

 

という違いがあります。

そしてどちらも「登録者が考える『お前らが考えそうなパクリの範囲』」までカバーします。

クリソツのものは消費者が混乱して悪評の原因となるのでね。

故に私が先に書いた『一撃アウト』勢は、商標権侵害につき問答無用でしょっ引かれることとなります。

「リボン描いてないから別物」とか抜かすなってことです。

 

即ち、旭化成パックス株式会社が守る物はマークだけ。

マジックカットの命たるその技術はパクリ放題なんですね。

 

これ致命的だと思うんですが、マジックカットの歴史を調べると納得。

 

1987年に一回特許を取ったものの、特許を取る=他社が使えない=自社商品が普及しないと死亡確定。

そして現実問題、自社製品が全然広まらない。

故に技術を他社に教えて、そのライセンス料で生き延びようとしたのです。

 

特許の有効期限は二十年だから、2007年に更新時期を迎えているはずなのですが、

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J-PlatPat、2021年3月1日現在の『マジックカット』検索結果

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▲7件ヒット……旭化成パックスはいない

更新せず、既に特許は消滅しています。

ライセンス料作戦が上手くいったのか、特許をわざわざ更新する理由が無かったのでしょうね。

なお特許更新は有料で、更新時期の当時は48500円という割と馬鹿に出来ない値段です。

 

だから旭化成パックス側からすれば「文句は言えない」

野郎共からすれば「嫌なら特許取れよ」

 

故に、商品を探し出して名指しであげつらうのは、全く無意味なのです。

 

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●せめて表現を変えて欲しい

前提知識をダラダラ書きましたが、とはいえ法律上の正義が誰かなんて消費者にはどうでもいいことです。

どこぞの某おじさん(※リンク先インターネットミーム注意)のように、

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と「こちらから開く」詐欺共に日頃ブチ切れていることかと思います。

 

とはいえそれを本当にメーカーに言ったところで、

 

「力が足りないんです」

「『手だけで開けられる』とは書いておりません」

 

と開き直られて終了します(※筆者実体験)

 

で、あれば。

 

メーカーよ、私は貴方達に提案します。

正直に書くことを。

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▲はい、こちら一般的な納豆の辛子

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▲良くないね、「こちら側のどこでも開きます」だって

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▲これなら言って良い。あくまでも思うだけ

こんな感じにどんどん行きます。是非採用して下さい。

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▲試して開いちゃったものはきっと工場にある

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▲メーカーの問い

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▲信じてくれ!

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▲……どうなるの?

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▲ヨ ク ア ケ ラ レ タ ナ

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▲これが来たらラッキー! 必ず開くよ!

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▲似てるけどハズレ

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▲もう戻らない日々

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▲開いたら不良品

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▲おめでとうございます、辛子小袋一年分です

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▲書かないという選択肢

 

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【結論】

もう鋏つけといてくれ。

 

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【おまけ:総括短歌】

真似事をするにしたって 御本家の 邪魔するような真似はするなよ

 

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【Staff】

企画・構成   清水舞鈴

撮影      清水舞鈴

編集      清水舞鈴

制作      清水舞鈴

監督      清水舞鈴

 

【Special Thanks】

旭化成パックス株式会社

旭化成株式会社

 

メシ通

ホットペッパーグルメ

リクルートライフスタイル(現・株式会社リクルート)

株式会社リクルートホールディングス

 

J-PlatPat

独立行政法人工業所有権情報・研修館

特許庁

 

スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに冒頭の絵は実際に千切れた小袋を絵に起こしたものです。

実物を撮影しなかったのは、見ただけで何処の会社の何の商品かが分かってしまう可能性が高かったため。

比較&ランキングもあるくらいなので、自重しました。

 

要は、本家本元のマジックカットでなければ、鋏で切った方が綺麗且つ早いってこと。

皆様も、偽物を掴まされても決して慌てず、大らかに構えていきましょう。

本家本元以外は絶対に切れません!(暴論)

The END.