清水の舞台から縄ばしごで降りる

次回は4月末に更新です。ナンパってまだ生き残っているんですね。

【自分語り】親知らずを粉砕せずに済みました

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▲漂う焦げのかほり

 

親知らずを抜こうと覚悟しましたが、別にそんな必要ありませんでした。

安堵と共に、経緯と豆知識をご紹介します。

 


 

●5/19(土) 11:20

地元に根付いた名医、さくらい歯科に着きました。

穏やかな対応と誠実で細やかな技術がNICEと評判です。

ワタクシも市境を超えてやって来ましたよ。

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さくらい歯科

舌で下の親知らずの歯肉をムニムニ押しながらね。

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▲ムニムニしてる顔

舌を奥に巻き込むために、口は閉じていますが顎が浮いている感じの顔です。

結構な間抜け面ですね。

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▲緊張しよるでぇ

 

「あれ? 何かコリコリしてるぞ」

大学二年の時、左下の奥を舌で触って気づきました。

思えばあれが最初。

そこから二年掛けて全部生えました。

ところが……

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▲左上・左下・右上

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▲右下

どうした右下。

歯肉の布団から出てこようとしません。

冬の朝かよ。

で、時折この歯肉の下にゴマやらハイチュウやらが潜り込んで、歯磨きが超面倒臭い。

嫌な同衾相手です。早よ起きて身支度せんかい。

 

●11:30

「予約した清水と申します」

「清水様ですねー、初診ですのでこちらのアンケートをご記入の上お待ち下さい」

ということでアンケートに回答しますが、大体こういうのって全部「特に無し」ですよね。

私の場合、アレルギーの項目に『花粉症』と記入する以外、ホントに特に無しでした。

そのまま呼ばれるまで待機。

 

この呼ばれるまでがわずか三分だったのですが、いろいろ考えてしまいます。

ちなみにそれを、考えた通りにメモった内容がこれ。

 

・歯肉の被ってる親知らずは抜かれるもの

・もうそれ以上生えてこないからである

・根っこが顎の骨に引っかかってるため、抜くのが難しい

・超音波当てて歯自体をグズグズにしてから、ノミで軽く叩いて砕くらしい

・治療後に傷口が開きっぱになるドライソケット要注意

・骨が剥き出しになってるため相当に痛い

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▲ついでに掲載、メモり中の私

 

……こうやって見返すと、絵に描いたような鬼胎ですね。

ネットで五秒ググった程度の内容しかありません。

案ずるより産むが易しという言葉をこれほど掛けてやりたいと思う人間もいない。

 

ちなみに、歯医者に来るまでに一年ほどネットで散々調べています。

五秒で出る程度の内容をいろんなメディアで見たせいで、うっすい事実に至るまでに長時間掛けていたのですね。

今だから言いますが、Yahoo!知恵袋に投稿したりキーワードをちまちまマイナーチェンジして調べたりする暇あるなら、とっとと医者行け。

どんどん無駄に怖くなって先延ばしにしている間に、取り返しがつかなくなるかもしれません。 

 

●11:33

「清水さーん、お待たせしましたー」

診察室に通されます。お馴染みの水道付き電動機能椅子にsit down.

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▲やわらか入れ歯のポスターが印象的

もう、ポスター見て意識を逸らしています。

これから来る流れを考えたくない。

「はーい、診ていきますね」

先生がデンタルミラーを口に入れてきます。

 

ここで軽く確認

→レントゲンの撮影

→ひっかかっていることを確信

→歯茎に麻酔(痛)

抜歯(激痛)

後日超腫れる(超痛)

 

この流れを想像して、ぎゅっと拳を握ります。

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▲KAKUGO is ready.(覚悟はできた)

 

 

 

 

「ほぼ真っ直ぐですね。抜く必要はありません

 

 

 

 

おっと?

 

ここで軽く確認

→抜歯不要を確信

 

既に流れが違うぞ?

「歯肉が強く被さっていて、親知らずが押さえつけられちゃってるんですねー。ですから、歯肉を取っちゃいましょうか。そうしたら真っ直ぐ上がってこられます」

 

先生曰く……

 

・親知らずの生える早さは圧倒的に上>下

・そのために上が生えて、下の歯肉を刺激

・傷ついた歯肉が再生し、厚くなる

 

という過程で、下の親知らずが生えてこられないレベルにまで歯肉が強くなってしまうのだそうです。

つまり歯肉さえ取れてしまえば、問題なく生えてこられるということ。

へー。

 

「ただ、歯肉というか粘膜系は、再生するのがとても早いんです。下の親知らずが生えるよりも前に、また被さってくるかもしれません」

空気読めよ歯肉。

何で削られてるか考えろや。

 

まあ歯肉が被さるかどうかは個人差が激しいとのことなので、取り敢えず今回は取ってもらいます。

 

●焦げのかほり

「電気メスで焼き切ります。出血が少なくて済みますよ」

「あい(口開けたまま返事)」

まずは麻酔!

歯茎に三カ所、プスッと行きます。

 

あれって、何であんなに痛いんでしょうかね?

我慢できますけど、こう、「ちゅぅいぃ……いいぃ……んっ」っていう感じの痛みですよね。

腕に注射する時の「ちくっ、にーぃ」とは全く違う痛み。

子どもが泣くに決まってますよ、主な痛みが全然終わらないんだもの。

 

それを三カ所。

 

ちゅぅいぃ……いいぃ……んっ

「麻酔はすぐ効いてきますからねー」

ちゅぅいぃ……いいぃ……んっ

「よいしょ」

ちゅぅいぃ……いいぃ……んっ

「はーい、一回口ゆすいで下さい」

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▲奥が苦いぜ

「では取っていきますね」

横から何かいろいろ吸い取るパイプも差し込まれます。

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▲切除中の景色

……目のやり場に困ります。

術中の先生や職員さんにガン垂れるわけにも行きませんし、壁の掲示物は角度がキツくて見られません。

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▲仕方ないのでココ見てました

先生方を見るのはチラッという程度。

マスクにニコニコマウス描いたら、ちょっと面白く……ならないな、怖いな

どーでもいーこと考えて時間を潰していると……

 

何か、臭い。

 

「焼いているので、ちょっと焦げ臭いですよー」

確かに、『歯肉 切除』でググった時にチラホラ見られた言葉です。

「焼き肉の匂いがしてきて腹減った」

そんな脱力モノの感想も見受けられました。

 

しかし、臭い。

 

口の中一杯に充満する焦げ臭さ。

それは確かに焼き肉店の匂いでした。

牛角』の七輪の隅に置いて忘れていたが、刻々と焦げて最終的に消し炭になっていく時の匂いでした。

私の歯肉はだったのです。

 

「はい、終わりです。口ゆすいで下さいー」

ゆすいでも血は全く出ませんでした。凄いな、電気メス。 

 

術後にしばらく先生とお話ししたのですが、その時に教えてもらったのがこれ。

 

・抜歯するのが一番キツいのは、前に倒れているもの

 →手前の歯が邪魔で、そのまま抜けないから

・埋まっていたり前に倒れていたりすると、砕く必要がある

・上の親知らずを抜いてもそこまで問題にならない

・下の親知らずを抜くと、腫れたり痛んだり、顎にアザが出てしまう人も

 

待って待って。

 

顎にアザ……!?

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▲ひいぃぃいいいい(『親知らず 抜歯 顎 アザ』)

親知らずを抜く、というのは「抜歯」の一言に収まるものじゃないんですね。

……今焼いた歯肉が被さってくるようなことになったら……私もココに入ることに……

 

●11:45 終了

お値段は保険適用で1140円

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▲やすッ

歯医者さんはもっと掛かる(四桁後半いく)イメージでしたし、親知らず関連なので全く想像がついてませんでした。

無駄に二万円おろしてくる辺りに、私の気合いと覚悟と物知らなさを感じて頂ければと思います。

 

ちなみに、今回痛み止めは処方しないそうです。

市販のもので充分で、それでも止まらないような痛みが出てしまったら、電話してくれれば処方するとのことでした。

薬は高いからねぇ。無駄なものは省いてくれるのがこの先生のやり方なのかも。

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▲お世話になりました

 

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【結論】

ググってねぇで医者行け。

 

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以上が半年前の話でした。

 

焼き切った直後のザ・炭火で焦げていく葱状態の歯茎ですが、写真に撮ってあったのを捨てました。

 

傷口は炭(っぽく見えるが実際は黒ずんだ何か)になってる。

その切断面は、寒天ゼリーの如き柔らかさと際だったエッジを持っている。

埋もれてたのでミュータンス菌の出す酸に晒されることのなかった親知らずが、尖鋭な歯冠を誇らしげに輝かせている。

その対比が何とも……まあ、あまりにも公開に耐えうるものではなかったんですよねえ……。

 

以上、『親知らずを粉砕せずに済みました』。

皆さんもハチマルニイマルの精神で、歯を大事に。 

 

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【おまけ:総括短歌】

素人の 検索・判断 意味が無い プロに頼んで 覚悟を決めよ

  

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【Staff】

企画・構成 清水舞鈴

イラスト  清水舞鈴

編集    清水舞鈴

制作    清水舞鈴

監督    清水舞鈴

 

【Special Thanks】

さくらい歯科

 

牛角

レインズインターナショナル株式会社(『牛角』運営会社)

株式会社コロワイド (上記会社の親会社)

 

スペシャルサンクスまできっちりと読む、画面の前の貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の副題は『敢えて年末感を出さない』ことです。

クリスマス? 年越し? 大掃除?

それは他のブログさんがやってくれています。

だから私はやらなくていいですよねー。

 

 

え、「このブログしか読んでいない読者のために書け」?

……。

 

 

 

 

いるのか、そんな人……? 

 

 

The END.